マクロスが好きと言うお話

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マクロの空を〜つらぬいて〜地球をうった雷は〜♪

 

どうも、ぼくです。

 おかげさまで、パンク思い出し日記がそこそこ好評いただいておりまして、嬉しい限りです。ぼく個人の事だったり、当時の事を知らない人にはあまり面白くない内容の思い出し日記と思ってるんですけども、読んでくださってる皆様ありがとうございます。

 そんなさなかではあるんですけど、今日はタイトル通りマクロスの話を書きたいので書きます。誰かに書けと言われたわけでもなく、ただなんとなく書いてみようかなと思っただけですが。別にこのブログは有料にしてるわけでもないし、広告収入を得ようと思って書いてるわけでもなく、なんとなく思った事を書いたりもする場所だったりもするので、その辺は好きにさせてくれさい。昔の事思い出したり、写真探したりも中々大変なんです(汗

また近々思い出し日記は書くので、そしたらよろしくお願いします。

 

 ということで、今回はマクロス。正式なタイトルは超時空要塞マクロス

1982年にテレビアニメが放送され、今年で39年の人気アニメ作品。来年40周年ですって。ロボットアニメの中でもかなりの大御所かつ、ビッグタイトルで、それなりに名前も知られている作品ゆえに未だに新作も作られてるんですけど、マクロスを知らない人からはガンダムの影に隠れてしまい、評価の伸び悩みがある感も否めない。知名度がいまいちなのかなって思ってしまう節はある。マクロスシリーズを好きな人でも、近年のマクロスFマクロスΔから入った人には、初代マクロスマクロス7マクロスプラスマクロスゼロマクロスIIはあまり刺さらないのか、はたまた世代や趣味の差もあるのか、何か壁を感じる所もあるので、そこがファンとしてはつらい。最近だと「歌マクロスってゲームもあるから、若い世代(若い世代とか書くようになってしまい、自分がおっさんになってきてるのを痛感してしまった…)にも昔の作品のキャラや歌に触れる機会が増えてるのは、入り口としてはいいなと思うけど、作品見てもらえないのはなんかもったいないなと思ってしまうんですよね。dアニメやアマプラとかの動画配信サービスあるんだし、見た事無いのを見ないじゃもったいない。ぼく自身も見た事無い作品はたくさんあるから、そこは自戒的な念もこめつつ…

 ロボットアニメと言えば、ほとんどの人が知ってるガンダムシリーズがあるんだけども、なんせ作品数が多い。見たシリーズもあるけど、OVAや劇場版も含めたら見ていない作品数の方が多い。実はぼくはそこまでガンダムは見ていない。別に嫌いじゃないし、ガンプラも子供の頃は作った。でもぼくの中ではガンダムよりもマクロスの方が圧倒的に好きだったりもする。自分の感覚だからこれが正しいとも思っていないけど、ガンダムは一般的、マクロスはオタク向けな感じで受け取ってしまったのがなんとなくぼくの中ではあるからだと思う。

 マクロスシリーズは基本的に初代の話から何年、何十年後という形でストーリー展開されていくので、リン・ミンメイの名前やFire Bomberの名前が出てきたり、前作や旧作の子孫が出てきたりする作りになっているという、その辺が魅力だったりもする。

 マクロスって、アニメのタイトルにもなってるくらいだから、メインで出てくる飛行機が変形してロボットになるのがマクロスって思ってる人は多そう。というか、実際多い。そりゃそうだ、ガンダムシリーズは機体の名称がガンダムだからそう思うのは普通。ボトムズはスコープドックなんだからタイトル=機体名とは限らないって言う人はたいていマクロスも見てるロボアニメ好きだから、そういうめんどくさい人は放っておく。ロボットアニメって聞いて、ガンダムマジンガーくらいが思い浮かぶ人にとってはそう思うのも当たり前。

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これがマクロスと思われてる、そんなもんなのです。悲しい。

これらの機体はバルキリーと言われるもので、

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バトロイドモード(人型)ファイターモード(飛行機型)ガウォークモード(飛行機から手と足生えてるモード)と、3つの形態に変形ができる機体であり、これはマクロスではない。VFシリーズとかYFシリーズとかいっぱいある。しかし、初めてガウォークモード見た時は衝撃だったな(笑)じゃあマクロスって何?って言うと、超時空要塞なのである。つまりバカでかい戦艦。

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このバカでかいのがSDF-1マクロス。どんだけバカでかいかというと、中に地球人の居住区があって、一つの街のような物が形成されてる全長1200mの巨大宇宙戦艦。これも変形するし後々のシリーズでも別の機体のマクロス艦は出てくる。

 

 とりあえず、ここまで読んでよくわからんて人はブラウザバックでいいと思います。

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2019年の河森正治EXPOでバルキリーの写真を撮りまくるぼく

 今回、別に一作ずつストーリーについて大きく解説したりするわけでもないから、その辺知りたい人はアニメを見るなり、wikiを読んでみてくだちい。

 とりあえずざっくりと、マクロスを説明すると、初代マクロスで宇宙進出していった地球人がゼントラーディという宇宙にいる巨人な戦闘民族と戦い、その後和睦し、宇宙を開拓するために子孫がどんどん宇宙に広がって行きそこで起こる様々な戦いを描いているというのが全体のストーリー。そして、全部の話にが関わっていて、歌の力などで敵と戦ったり、主人公とヒロイン達との恋の三角関係ってのが、マクロスシリーズの伝統で、それは基本的にどの話にも見られるマクロス7はちょっと特殊枠)

 説明めんどくさくなってきたから、マクロスシリーズのwiki見てくれさい。

 

 ぼくは1984年生まれなので、マクロスとはほぼ同級生。マクロス作品で言えば、最初の劇場版超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますかと同級生。そりゃぼくもそろそろ40歳がチラついてきてるわけだ…つらい…

 なので、当然初代のテレビシリーズは後年見た、もちろん愛おぼも。これから書く話は、ぼくが見てきたマクロスの順番に基づいて書いて行くので、マクロスの放映順だったり、世界線の時間軸の話ではねーです。

 

 そんなぼくのマクロス初体験は1994年のテレビ作品マクロス7

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OVAマクロスプラスも1994年作品なんだけど、10歳そこそこの普通の家庭に育ったぼくはOVAを見れる環境でもなかったため、マクロス7しか当時は見ていなかった。日曜日の昼前、ニチアサアニメと言うには気持ち少し遅い時間だったけど、小学生男子にとってはロボットアニメはワクワクする物で、必然的に見ていたんだけど、このマクロス7、ちょっと作品としては特殊枠扱いされがち。主人公の熱気バサラバルキリーに乗って戦場に飛び込んで行ったかと思えば「俺の歌を聴け〜!!!」と叫び、バルキリーに装備されている銃からスピーカーを敵機体に向けて打ち込み、いきなり歌い始めるかなりヤベーやつだった。間違ってミサイルを発射してしまった時なんか「どうしてこんなもん装備しやがった!」と、メカニックを担当してる仲間を本気で責めるという、とにかく戦わないで歌で宇宙全部を平和にしてやろうという気持ちだけでバルキリーに乗ってる熱い男で、普通のロボットアニメを期待して見た者にとってはかなりめちゃくちゃに見える。

 当時、ガンダムシリーズでは機動武闘伝Gガンダムなる作品が平日の夕方に放送されていたが、このGガンダムガンダムシリーズの中では特殊枠で、ガンダムに乗って格闘技をする、操縦方法もラバースーツみたいなの着てコクピット内で動き回り、格闘する。なんなら、めっちゃ強いキャラは素手モビルアーマーを破壊するとか、これもとにかくむちゃくちゃだった。

 とはいえ小学生男子にとっては、バルキリーがガキーン!って変形したり、宇宙を飛び回ったり、敵と戦ったり(バサラ以外)ガンダムが格闘をしたりする作品はめちゃくちゃ面白かった。ガンダムは予備知識的に、初代ガンダムZガンダムF91ポケットの中の戦争とか知ってたから、格闘するのは斬新だったけど、10歳の感覚からしたらめちゃくちゃ面白かった。多分、今の感覚で見たらめっちゃ批判してる気はするけど。なので、この2作品は幼少期のオタクではなかった自分がしっかり一話から最終話まで見た作品になり、マクロスガンダムのスタンダードな作品として位置づけられてしまい、後年温度差で風邪引くかと思った。ちなみに、マクロス7の放映終了が1995年で、95年にはエヴァが放映されるわけだけど、エヴァを見てかなりの温度差に振り回されたのは言わずもがな。

 

 とにかく、マクロス7は衝撃的だった。戦わないで歌を歌いながら戦場に突っ込んでく熱気バサラの姿は最初数話こそ「戦ってるとこに歌いに飛び込んでいって邪魔すんなよ!」って思ったりもしていたし、いつも歌ってる歌が「突撃ラブハート」ってタイトルなのクソダセーって思ってたし、バサラのバンド名がFire Bomberなのもダサいと思った。10歳の少年がダサいって思う要素が結構あったのに、なぜ最後まで見て、なおかつ今では一番好きなマクロス作品がマクロス7なのはなぜかと言われると、とにかくそれまでダサいと思ってた要素が途中から全部カッコ良く見えてきたからだった。特別、作品内で何かあったわけでもなく、ストーリーが進んでもバサラはバンドメンバーの言う事も、敵の言う事にも全方向からの話に耳を傾ける事もなくただひたすら戦場に突っ込み「俺の歌を聴け〜!!!」ってバカみたいに歌ってるだけだった。でも、その一貫してブレないバサラがめちゃくちゃカッコ良く見えてきた。

 さらに、バサラはマクロスシリーズの伝統である主人公とヒロイン達の三角関係なんてものは全然関係ない男だった。バンドメンバーのミレーヌ(超可愛い、超好き)や、バサラのファンの花束を持った少女、敵宇宙人のシビル、劇場版のエミリアOVAエルマと、常にヒロインが出てくるのに一貫して「俺の歌を聴け〜!!!」のスタンスを崩さない。俺の歌以外には興味がないぜというスタンス。そこがカッコいいんだけども。OVAのしょっぱなでも、銃撃戦をしている所に生身でギターを持って走って突っ込んでいき「戦争なんかくだらねぇぜ!!!俺の歌を聴け〜!!!」という名台詞を発する。あれは痺れた。反戦を歌ってるわけではないので、その辺はハードコアパンクやヒッピーとは大きく違う。政治的な意図や意思はバサラにはまったくない、ただ歌を聴いてくだらない戦争はやめろ!とそれだけの思いで歌ってるやべーやつなのだった。最初は目立ちたい一心で「俺の歌を聴け!!!」ジャイアンの空き地リサイタル的な)と言ってるのかと思っていたが、「戦ってる手を止めてまぁ俺の歌でも聴いてくれよな!」くらいの感覚のものだったというのは、見ていくうちに理解した。そして、ぼくは一気にマクロス7のファンになった。マクロスシリーズのみならず、こんなアニメは他にない!と思ったから。

 

 ただ、残念なことに同級生でマクロス7にハマっていたやつは誰もいなかった…

 

 そんなこんなでマクロスという作品がある事を知ったぼくは、マクロス7を見てから9年後、19歳くらいのフリーターな時期、ちょうどアンダーグラウンドのパンクシーンに身を投じた頃、暇な時間も多かったので、初代マクロスをついに見た。

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この頃には多少のアニメ知識も身についてきていたので、エヴァの監督でおなじみの庵野がアニメーターとして参加していたことや、マクロスのアニメーターの板野一郎板野サーカスいう後年のアニメには欠かせない作画技法を生み出したことなど、ふんわりと知識として持っていた。

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こちらはマクロスプラスの「伝説の5秒」と言われている板野サーカス

ミサイルが煙を吹き出しながら敵を追撃する様子の作画を板野サーカスと勘違いしてる人が多いのだが、高速で動く物体を、高速でカメラが追いかける空間演出の作画技法板野サーカスなので、そこ間違えないように。テストに出ます。板野氏も「ミサイルが一本でも二本でも、流れが綺麗なら板野サーカスとおっしゃっています。

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板野サーカス風にミサイルを発射するマイキーさん

 まぁそれは置いといて、初代マクロスマクロス7の感覚で見始めてしまったから、なんか色んな衝撃におそわれながら見てた気がする。話としては地球人VSゼントラーディ軍の戦いというのはすぐわかる。ゼントラ語も特徴的で、戦う以外の文化がなかったゼントラーディの兵士が地球の歌の文化などに触れて「ヤック・デカルチャー(なんとおそろしい!)なんて言うのも見ていて面白かった。

 話の本筋的な部分は全然いい。後半の「この話いる?」みたいな話数も別にあっていいと思う、むしろ必要。ミンメイが歌手になってドサ周りする話だってあっていいじゃない。エウレカセブンだって「チームワークを深めるためにフットサルやるぞ!」なんて、話の後半にさしかかる頃になってやってたくらいだし。無駄がある方が、アニメなのに人間臭くていいじゃない。

 じゃあなにが凄く衝撃的だったかというと、とにかく作画がすごかった、悪い意味で。ぼくが見たのは再放送版のフォーマットになるものだったので、かなりの修正がされてはいたものの、それでもすごかった。止め絵、キャラデザの崩壊、シーン内でのバルキリーの機体の色がかわる…などなど。本放送時の11話がとにかくひどかったのは有名なんだけども、まだ未視聴なのでいずれ見たいと思っている。特典で収録されてるようだし、DVD-BOX欲しいな…

 テレビ版は、作業現場そのものが崩壊し作画スタッフが逃げ出したり、スタッフの乗っていたタツノコプロと書かれた車が街中に無人で放置されていたりだとか、とにかく凄かったらしい。当時大学生だった庵野が作画スタッフとして駆り出されたとか(この辺の話は島本和彦先生のマンガアオイホノオでふんわりと書かれてる)、現GAINAX取締役の山賀氏(山賀氏も当時学生もちろん素人)に、絵コンテを描かせたり演出をやれって仕事を投げたり、スタープロという韓国の外注に発注したら、何が描いてあるかわからない絵があがってきて板野氏が激怒して大暴れ、その結果怪我の功名的に板野サーカスが生まれたとか、その辺のエピソードは語りぐさにもなっていて、ぼくよりもよっぽど詳しい方々がたくさんその辺の話はまとめ記事にしたりもしているので、興味があればマクロス スタープロ」とかで検索すると面白い話がたくさん読めたりする。

 そんな過酷なギリギリまでやる制作現場を経験した、庵野氏、山賀氏、貞本氏など、初期のGAINAXの精鋭達は、それをスタンダードと思ってしまったのか、ナディアやエヴァなんかも常にギリギリで制作してたという…。

 それくらい過酷な現場だったのが、テレビ版マクロスの画面からはひしひしと伝わってきて(それでも修正された再放送版なのに)、なんか違う意味でハラハラしながら見た記憶もある。ところが、劇場版の愛・おぼえていますか(通称愛おぼ)に関してはとにかく作画が神レベルだった。TV版のリベンジという思いもあったようで、制作スタッフの仕事の緻密さが際立っていて、今でもその作画の素晴らしさは語られているわけですが、そりゃ作画監督板野一郎さん、美樹本晴彦さん、平野俊弘さん、原画スタッフ庵野秀明さん、北久保弘之さん、木上益治さん、中村孝さん、結城信輝さん、森本晃司さんなどなど他にもたくさんの現在もアニメスタッフとして広く名前を知られているオールスターの様な布陣で挑んでるんだから、作画がすごくて当たり前だというレベル。

 80年代のアニメは、当たり前だけど手描きで制作されているので、CGのような無機質な均等感は全然なく、作画スタッフの力量やクセなんかが画面を見ただけで視覚的に情報としてガッと飛び込んでくる事が多い(悪く言えば、同じ作品内でバラつきが出る事がある)んだけど、愛おぼは最初から最後まで高水準のまま均一で、絵のクオリティ、動きの演技、演出と、最後までため息が出るレベルの作画だった。愛おぼマクロスプラスマクロスシリーズの中でも群を抜いて作画レベルが高い。

 アニメの作画がいいって話は個人の主観に寄る所もあるから、当然好みもあるし、どの作品が一番凄いって決めるのも無駄な議論になあるとは個人的に思っているので、それは各々が感じた物でいいとは思ってるんですけども。

 近年の作品だとヴァイオレット・エヴァーガーデンが作画がいいという事でよく名前が挙がるし、昔の作品だとAKIRAの名前が挙がる。両作品ともぼくは大好きで何度も見てるし、何度見ても線の美しさやキャラの演技(動き)、見せ方の構図などには圧倒される。本当に作画がめちゃくちゃ素晴らしい。他に、GAINAXの初期作品王立宇宙軍 オネアミスの翼のロケットが飛ぶシーンなんかは初めて見た時に実写を見てるのかと錯覚するぐらいにめちゃくちゃ凄いと思った。メカアクションだと、今石洋之さん吉成曜さんが参加していたFLCLはとにかく爽快感がすごく秀逸、この作品がぼくがアニメーターオタクになるきっかけでもあった。アイドルマスターのライブシーンでの手描きのダンスの作画もクオリティがめちゃくちゃ高い、髪の毛の先まで動いていたり、動く度に汗が飛ぶ様子など、ダンスシーンだけCGにしているアイドルアニメはダンスの所で急に無機質になって気持ち悪さを感じる時があるが、アイマスは絵に暖かさがある。鬼滅の刃「呪術廻戦」の作画がいいと最近では結構言われている(もちろん良いと思っている)が、近年のアニメ作品全体の求められているクオリティ水準が上がってきているなか、絵がキレイな話題の作品だけを見て「作画いいね!」とか、少し絵柄が崩れたくらいで「これ作画崩壊だよ!」なんてしたり顔で言ってる人を見るとモヤモヤするので、作画のいいアニメとかで検索して作品調べて色々見てほしい。

 キレイなだけの絵は、絵の上手い人だったら描ける物だと思っているので(ぼくは描けないくせにえらそうに言ってる)、そんなにキレイな絵のアニメを見たいんだったら止め絵の多い作品を見ていたらいいと思う。そんなのは全然アニメーションとして面白くないと思うけど。先日惜しくも亡くなられてしまった、ルパンシリーズジブリ作品などでお馴染みだった大塚康生さん「アニメーターは演技者だ」という事をおっしゃっていて、その言葉を知ってから、アニメはアニメーターさんの描く演技や演出に注目して見るようになり、そこでぼくの中の作画の良い・悪いの判断基準は大きく変わった。

 このように、作画クオリティに言及される事も多くなってきたからこそ、やはり愛おぼマクロスプラスは未視聴の人には絶対に見てほしい作品だったりもする。

 愛おぼのラストシーンでリン・ミンメイがタイトル曲でもある愛・おぼえていますかを歌う約6分ほどのシーンは曲の良さもあいまって、パブロフの犬状態で何度見ても目頭が熱くなる。

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この曲は後年のマクロスシリーズでもヒロインが歌う曲として歌い継がれてるので、近年のマクロス作品から入った人でマクロスファンだと言いつつも未視聴の人はマストで見て欲しい。

 

 愛おぼを見て、マクロス=作画がすごいという認識になったぼくは、評判が高かったマクロスプラスを見て、さらに衝撃をうけた。

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先ほど載っけたGIF画像の「伝説の5秒」が見たくてOVAを借りてきた。すると、OVAには伝説の5秒のシーンは収録されておらず、収録されているマクロスプラス MOVIE EDITION」をその後借りてきたという、マクロスあるあるな凡ミスをしてしまったのだけども。OVA版も作画は凄いので見て損はなし。

 「伝説の5秒」に軽く触れると5秒間のカットの中で、116枚の原画が使用されており、その描写がとんでもないということ。たった5秒のために116枚。普通のアニメなら、秒間24フレームなので、一秒間に8枚、5秒なら40枚程の原画で済む所を、その3倍の量で描いているという常規を逸したシーンなのである。その予備知識を持っていて見たからこそ注視して見ていたが、特に知識もなければあっという間に見逃してしまう秒数のシーンでもある。気になる人は「伝説の5秒」で検索すれば抜粋したシーンの動画とか出てくるから、それ見てもいいと思う。

 時代的にはCGがアニメ制作に導入されている頃なので、プラス7もCGを使ってる部分は見られるが、基本的にはほとんどメインの作画は手描きなので、職人技のようなものを感じる。

 マクロスプラスマクロス7と同時期に制作されていた事もあるので、比較されやすくもありつつ、両極に位置するような作風でもあり、派手にファイヤー!してるマクロス7とは打って変わり、終始シリアスにバルキリードッグファイトや人間関係を描いていたのがマクロスプラスなので、この対比も凄く面白い。シリアスな人間関係や、戦闘機の派手なアクションなどの作品が好きな人には一番オススメな作品。

 

 そして、マクロス黒歴史と言われていたマクロスIIを見た。正式なタイトルは超時空要塞マクロスII 〜LOVERS AGAIN〜」

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この作品はマクロス10周年の時にOVAが制作されたマクロス作品としては2作目にあたるものでしたが、初代マクロスの超主要スタッフでもありバルキリーのデザインをしていた河森正治さんが参加せず、最初に制作にあたったスタジオぬえも担当しておらずAICが制作した事や、設定が初代から80年後で現在までのマクロスシリーズでもまだ到達していない未来の話すぎて、後のマクロス作品が世に出てきてから、世界線が違いすぎるなどの理由から、黒歴史扱いされてたりもするちょっと寂しい扱いの作品。その後バンダイビジュアル「なぜマクロスIIはマクロス黒歴史と言われるのか」といったコーナーをサイトに設けてネタ化したりもしてた。

 ぼくも見るまでは、その前情報に踊らされており、あまり期待せずに見たんだけども、作画はいいし、シリーズの基盤となる三角関係の話もあるし、何より楽曲がめちゃくちゃよかった。マクロスに限らず、色んな作品の続編で批判を受ける事も珍しくなく、その批判は全体の1割であっても目につきやすかったりするもの。そして今でこそあまりめずらしくないOVAという、購入した限られた人のみが見る事が出来るフォーマットが、一般層にまで届きにくかったこともあってか、一部の意見の「マクロスIIは面白くない」と言った発言が「マクロスIIは面白くないから見るもんじゃない」と言うように変化していき、見ていない人にもそのように曲解されてしまい、見てない人が鵜呑みにしてわいわい言ってるだけだったんじゃないかとすら思った。

 初代マクロスを終えた後、河森さん「今後マクロスの続編には関わらない」と言っていたため、マクロスIIには参加していなかったが、意外とかなり売れたこの作品から、マクロスファンの続編への期待が高かったのもあり、この作品があったからこそ、河森さんもマクロスシリーズに復帰し、マクロス7マクロスプラスが制作されたので、この作品はあって然るべきなんだと思う。

 原画の面では5話での大張正己さんの作画が見所とも言われていて、たしかにアクションシーンが素晴らしかった。当時はテッカマンブレードの後で、初期のマクロス作品の割には大張さんの雰囲気があるスタイリッシュなメカアクションだった。勇者パースや、サンライズ立ちなどと呼ばれている作画技法を生み出したロボットアニメの大御所アニメーターの大張さんが参加しているというだけでも、ロボットアニメ好きには見る価値があると思う。ちなみにぼくはコミケの時に勇気を振り絞って大張さんに話しかけ、サインをいただいた事があるのだが、すごく物腰のやわらかい紳士で、よりファンになった。

 とにかくこの作品はもっと評価されていいとぼくは思っている。

 

 そして、マクロスF。正式タイトルはマクロス Frontier」

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マクロス25周年記念作品でもあり、マクロスシリーズが再び世に広く出てきた作品で、パチンコやスロットも大ヒットし、未だファンが多く存在してる作品。これをきっかけにマクロスにハマった人も結構多いんじゃないかと思う。当時、ニコニコ動画では踊ってみたという動画が流行っていて、それまでアイマスか東方が強かったニコニコ動画内で一気に人気になったコンテンツだった。特に、ヒロインの超時空シンデレラことランカ・リーの曲星間飛行はすごい流行ってた、みんな踊ってた。☆(ゝω・)vキラッ

 今までのマクロスシリーズではバトロイドに変型したバルキリーは少しもっさりとしたデザインだったのが、マクロスFからはシュッとしたデザインになってるのも、最近のアニメ感がある。板野サーカスなどの技法も継承され、歌や三角関係などの伝統もそのまま継承。バルキリーや敵生物のバジュラはCGで描かれているのも今までと大きく異なる作り。25周年作品とのことで、仮タイトルがマクロス25」だったらしく、今作で出てくるマクロス艦の名前がマクロスクォーター(100の1/4は25)など、25にまつわる名称なども出てくる。

 ランカの兄のオズマFire Bomberの大ファンで車の中で曲を聴いていたり、銀河の妖精ことシェリル・ノームがライブを始める前に「私の歌を聴けっ!!」って叫ぶのとか、マクロス7からの影響(と言うか、バサラの影響)が結構ある描写が、作品がつながってる実感があり、その辺りの演出はファンとしては、かなり嬉しい物だったりもする。

 マクロスファンの中でも、F以前・F以降と言われたりもしてるので結構ターニングポイント的な作品だったと思う。キャラ萠えという要素も広く定着してきた時でもあったので、わりとキャラに焦点があたる事も多く、歌に関してはかなりの楽曲があった。楽曲のクオリティは高く、アニソンの枠にとどめておくのはもったいないという曲も多い。その頃、ランカ役の中島愛のコンサートなんかは倍率がめちゃくちゃ高くて当然チケット取れなかったんだけども、当時の職場の先輩で、なぜか物凄く羽振りのいい人が高額のチケット買って見に行った事を自慢されて羨ましかったのを覚えてる。

 Fはその後劇場版も作られ、テレビ版では戦いを終えた主人公アルトが帰還してヒロインのシェリランカどっち選ぶの〜!みたいなほのぼのした終わり方とは違い、結構しんみりした終わり方だったのが、印象的だった。

 

 OVAマクロスゼロを見ると、マクロスFの作中のあれやこれやがより理解できて楽しめたりもする。

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マクロスゼロ20周年記念作品なので、Fの制作よりも前に作られているが、この時期から3DCGをふんだんに使うようになっているという点にも注目して見れる。マクロスゼロ初代マクロスの1年前(正確には8ヶ月前)が舞台なので、初代の登場人物が出てくるが、作画というかキャラデザが全然違うので、初めて見た時は少しとまどったりもした(笑)他の作品と違って、目に見える大きい敵と戦うという設定ではなく、人類創世の話など神話を基にしたスピリチュアルな話の作りになっているので、マクロスFの中では劇中劇として神話的な扱いになってたりもする。神話的な扱いでもあるんだけど、ヒロインのマオ・ノームマクロスFシェリル・ノームの祖母であったりもするので、マクロス内の年表を見るとかならずこの作品は関わってくるためマクロス好きな人は見ておくといいと思う。ぼくはFを見た後でゼロを見ているので、その辺は理解しやすかった。

 

 そして、最新シリーズのマクロスΔ

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雰囲気的にはマクロスFを継承していったようなスタイリッシュなバルキリーのデザイン。今までの歌要素をさらに強化した作品で、ワルキューレという歌ユニットが登場。アイマスラブライブ!といったアイドル物が成功したアニメ業界でもあったためか、結構アイドル成分高い。サブヒロインが増えまくった…

 個人的にこの辺の要素が結構キツくて、せっかく3DCGで激しい動きが描けるようになったんだからバルキリードッグファイトがたくさん見たかったぼくとしてはその辺の要素はちょっと物足りなかったりもした。描かれてはいたんだけども、個人的に少し足りなかった。アイドルアニメは好きなんだけど、それはそれ。マクロスマクロス。人数が増えすぎて、デルタというタイトルから期待する三角関係よりも多くの人間関係が見えてしまって、名前負けしてないかと思いながら見ていた。

 といっても、マクロスF以降のファンにはΔは受け入れやすかったみたいで、こちらも大人気作品となり、劇場版も制作され、今年2021年にも新作映画が公開される事になってる。

 

 

 と、ここまで結構がっつり書いてきて、自分でも何が言いたいのか、最早わからなくなってきているんだけど、マクロスという作品は数あるロボットアニメでもぼくにとってはかなり重要な作品。最近よく遊んでいるマイキーさん(EXTINCT GOVERNMENT)と、初めてちゃんと話をした時にマクロスの話になり、お互いマクロス7が一番好きだと言う部分で意気投合。ことあるごとにマクロスの話をしているし、マクロスモデラーズとしてマクロスのプラモを作っているマイキーさんを応援してたりもする。今年の作品も楽しみですな。

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マイキーさん制作の初代マクロスに出てくるリガード

 

 長くがっつりこう言うの書く時って、書き始める時には意欲がめちゃくちゃあるんだけど、いざ書き始めたらまとまりが悪く感じるし、落としどころがわかんなくなってくるんだよなぁ(笑)文章書くの好きだから、その辺もう少し上手くならないと。

 

 なんにせよ、好きな物への興味・探究心はつきないもので、マクロスを見始めて四半世紀、まだまだ好きになっていくし、自分では全然知識が足りないと思ってるので、もっとどん欲にどっぷりと沼にハマっていくのもいいのかなと。

 バルキリーだけじゃなく、様々なメカの名称や機体名や型番なんかはガッツリしたマニアの人達はすぐにパッと思い浮かぶわけだけど、ぼくなんか有名な機体とかじゃないとすぐに浮かんでこない。そういうとこも極めていってこそのオタクなんじゃないかなと、最近オタクの本分を改めて考える事もあるので、その辺をなんとかしていきたいな〜なんて思ってたりもする。それに、マクロスが好きとは言え、ここまで語るようなブログを書くのもおこがましいような気がしてるので(こんだけ長々書いておきながら)、もっと熱量を持ち知識を深めマクロスという作品と対峙せねばとも常々思うわけです。

 

とりあえず、マクロス好きな人でステーキを見て「柿崎ぃ〜!!!」って言う人は信頼してます。

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柿崎にもステーキ食べさせてやりたかったな…

 

これ読んで、マクロス気になってマクロス見たって人が出てくるといいなー。そんな影響力はぼくにはないんだけども

 

 

 

おわり