フライヤーの話(と7月23日の企画の告知)

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2021年7月23日TODESTRIEB企画やります

どうも、ぼくです。

 またしても更新期間が長くなってきておりまして、お待たせしてたらごめんなさい。待ってなかったらどうも失礼しました。

 思い出し日記も続き書かなきゃなーと思ってるんだけど、それは改めて。先日ツイッターにちょっとアップした、昔使ってたデジカメからの画像を少しサルベージしたので、その辺も絡めて書きたいなぁとは思っています。

 

 ということで前回のマクロス愛を語ったブログから約3ヵ月。今回は告知もかねたブログを、人のあまり見ない時間に更新するわけで告知する気あんのかと言われそうな気もするけど。暑くなって寝苦しい夜になってきたので、中々寝付けない時とかにどうぞ。(とか言ってたら朝4時ですね。書き始めたの0時頃だったのに…)

 ということで、先に告知。上記画像の通り、

TODESTRIEB企画、DEsperAte THanatology vol.10

2021年7月23日(金・祝)at西荻窪PitBar

やります。

 

 出演バンドですが、TERROR CHORDは大阪のデジタルアナーコパンクバンド、1stシングルをリリースしたばかりで、今話題も大きいバンドです。COFFINSは前から一緒にライブやりたいと言ってくれていて、ついに実現。KRUELTYは先日企画に呼んでいただいた時にまたぜひ一緒に演れたらと話しておりました。そこに、アナーコパンクのレーベルとしてもお馴染みのAcclaim Collectiveがディストロで来てくれます。TODESTRIEB企画らしいメンツになったのではないでしょうか。

 チケットは、前売2000円、当日2500円となっており前売が超お得です。ドリンク代はないので、前売価格で遊びにきてもらって、浮いた500円でPitBarで飲み物や餃子など多めに頼んでお腹も満たして下さい

 前売予約に関しては、PitBarのメール askapunk2020@gmail.com までメールしていただくか、各バンドまでお願いします。その時の状況がどうなっているかわからないのですが、入場時の制限などもありますので、PitBarの定めるガイドラインを確認した上で遊びにきてくれたら幸いです。はやくこの状況改善してほしいですね。補償もきちんとできない国がよくオリンピックはやれまーす!とか言えるよな。

 

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PitBarガイドライン

 

 そんなこんなで、今回の話、フライヤーについて。

 フライヤーって何って思う人はあんまりいないと思うんですけど、一応説明しておくと、告知用のチラシですね。それをぼくは作ったりもしています。

 んで、今回のフライヤーのイメージなんですけど、見たまんまのアレですね。現時点でどうなるかわからないけど、開催する気満々っぽい東京オリンピックがちょうど開催される日程でのライブ。フライヤーを頼まれた時にほとんどイメージは浮かんできたので、あとはどれだけTODESTRIEBっぽさを出すかってとこに注力した感じです。いつもだったら、ごちゃごちゃと文字やら背景やら置きたくなる性分なんで、最初に形にした時はもっとごたついてたのですが、そこから引き算していった結果が完成型になりました。

 通常、TODESTRIEBの企画のフライヤーはボーカルのサトシ君(DROPENDの時の名前はマサルが作ってるんだけど、今回サトシ君の私生活が忙しいためフライヤーをぼくが作成する事に。サトシ君のフライヤーは手描きで、点描で描き上げるアナログスタイルだから時間かかるんですよね。対してぼくはイラレとフォトショを使うデジタル作業なので、素材を集めつつ、デザインの方向性が定まっちゃえば、作業自体はあまり時間もかからない(手抜きとかじゃなくて)。仕事柄、イラレ・フォトショを使ってるので、あまりその辺にON/OFFは無くて、仕事中の息抜きとか、思いついた時にがーっと形にしたりするやり方なので、わりと自由な時間でいつもやってます。

 

 他の人がどうやって作ってるのかは全然知らないので、ほとんど我流なんだけども、デジタルなので下絵がいらないと言うのは作業時間的に短縮出来るとこかも。文字や絵柄の大きさも拡大縮小は楽だし、色の変更もすぐ出来る。アナログだとそれは用意には出来ないから、手描きで作っている人はほんとに凄いと思う。バランス感覚とか色彩感覚とか。下絵を作ってフライヤー作ったのって多分1回か2回しかないかな、それこそ作り時始めた頃。

 

 デジタル楽そうでいいじゃん、よく言われるけど、やっぱりアナログにしか出せない質感とかはあるので、その辺はどっちにも長所はあり短所はありって気がする。コピー機でプリントしたやつを切り貼りしてデザインの下地を作ってからデジタルで編集して仕上げた事もあったし、手描きの文字やイラストをスキャンして使ったりもしてみたこともありました。

 

 フライヤーらしいフライヤーを最初に作ったのが、2014年のSTAGNATION企画 VIOLENT PARTY

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 今思うと、こうしとけばよかったなとか思う点は結構ある、企画タイトルとか見にくいし。アズサ君(STAGNATION)から「フライヤー作れない?作ってみて」という軽い感じ(笑)で頼まれたのがきっかけだったが、この頃はイラレ初心者で、作業しながらネットでイラレの使い方を調べつつ作った。そんな所から始まり、なんだかんだと未だにSTAGNATIONのフライヤーやら、DVDの映像編集やマーチャンダイズの作成などなど、色々仕事を振ってもらってる。このフライヤーの時は「NOISEっぽく、後は猫」っていうオーダーで作ったのはよく覚えている(笑)

 思えば、アズサ君からは結構ノリと勢いで何かを頼まれる事が多かった(笑)Cに加入したのも「なんか映像作れない?」と言われ、その時の仕事で動画編集ソフトを使い始めた頃だったので「簡単なのだったら…」という所が入り口に。とは言え、基本的に良い方に進むし、中々体験できない事も体験させてもらえて、自分のスキル向上にもなっているので、本当にありがたいです。

 

 今、主に作っているフライヤーはSTAGNATION企画アズサ君個人企画C企画が大半で、次いでシンゴさん(Nanchopapa!!)企画。その他に頼まれて、依頼をこなす事がたまーにあるという感じ。コンセプトはやっぱりそれぞれにあわせて作る事が重要だと思っていて、依頼側にイメージがあればそれを形にするし、お任せだったら、企画の意図とかを考えながら作るという感じ。作り始めた頃は、もっと主張を押し出してパンク然としていた方がいいのかとか思っていたりもしていた(それはもちろん大事ではある)けど、最近は遊び心も盛り込む余裕とかも出来てきた。

 遊び心的に楽しかったのは、ABSOLUTE ZEROの企画フライヤー。

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2020年4月18日開催予定だった企画(コロナ禍で中止に)

 メタルクラストなABSOLUTE ZEROのイメージと、栃木県内でしか開催していなかったWALPURGIS NIGHTが東京で初企画だったので、来日メタルバンドのチラシ(フライヤーではなく、チラシというのがポイント)みたいにしようと思って遊んでみた。もっとバタ臭い感じにしたかったんだけど、その辺は個人の力量の限界だったので、もっと精進しなければと思った。コロナ禍で敢えなく中止になってしまったので、イベントのリベンジをいつか…

 

 あとは、2019年の「KILLER祭」

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暗蔵喫茶「Killer饅頭」&下北沢「KILLERS」共同企画。まさにお祭りでした

 下北沢KILLERSのオーナー井上さんから話をいただき、「KILLER」という名称にふさわしいおどろおどろしいイメージでというコンセプトの元、結構連絡を密に取り作ったフライヤーでした。この企画に付随したノベルティのデザイン作成とかもさせてもらい、かなり楽しく作業させてもらいました。

 

 フライヤーを作る時に、なるべく他のバンドのフライヤーは見ないようにして、一回頭をカラにしないといけないというのが自分の難点。曲作る時もそうなんだけど、直前に見聞きしていた「いいな」と思うものにもろ引っ張られるクセがあるから。なので、依頼がきたその日は、どういう方向性にしようか考えながら寝る事にして、一回自分の思考だけで頭の中を満たさなくちゃいけない。すんなり思い浮かぶ時は翌日から作業開始出来るけど、そうじゃない時は何日かかかる事も。

 

 デザイン的な部分では、やっぱりJamie Reidピストルズのデザインでお馴染み)や、Gee Vaucher(CRASSのアートワーク)が最初に影響を受けた。けど、それっぽく作ろうとしても、元々がもう完成されたデザイナーの作品なので、模倣というか劣化コピーのようにしかならない。もちろん、そういう依頼ならその通り作ろうとは思うけど。なので、最近は参考にする事はやめた。

 デザインの手法として、今もっとも自分の中で研究している方は、アニメ演出家の尾石達也さんタイポグラフィと言われる字をデザインとして盛り込む分野では、ぼくはこの人以上の人を知らない。アニメだからこそ、文字も画面で動かせたりする利点はあるので、当然のようによりよく見える事もあるとは言え、尾石さんの表現手法は無駄がなく、シンプルなんだけども、強烈なインパクトがあって、目指す所の一つだと思ってる。尾石さんを意識するようになってからは、絵柄だけではなく、フォントその物にもこだわるようになってきた気がする。

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尾石さん監督・演出の傷物語のシーン

 アニメの中に実写を入れこんだり、シンプルな背景にしたり、文字だけのカットを作ったり、と、尾石さんの演出作品は見ているだけで物凄く勉強になる。さらに言うと、その尾石さんを起用する総監督の新房昭之さんも、ぼくのデザインの(心の)師匠だったりもする。

 この辺の話はアニオタ的な方面にそれるので、割愛。

 

 と、楽しく毎回フライヤー作らせてもらってますが、これは完璧だ!って思えるフライヤーって中々作れていない。7年程フライヤー制作をしてきて、会心の出来だったなって思うのって、ほんとに僅か。もちろん、手抜きしたとかではく、その時その時真剣に作成している。自分で作った物はあとから見直したりもよくしてるんだけど、たいていの物が「こうしておけばよかった」とか「これが足りなかった」とか思っちゃうものばかり。

 よくアズサ君と言ってるのが、2019年2月のVIOLENT PARTYのフライヤーを超える物を作ろうという事なんだけども、このフライヤーに関しては自分も、アズサ君も満足の出来だった。

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 いつもSTAGNATIONのフライヤーって、特に決まったイメージが無いというか、ノイズがテーマなので、その時のアズサ君の趣向で完成型がだいぶ変則的だったりする。なので、ボツ案になる事も踏まえて3つ〜4つイメージを作って、その中で自分的にこれかな?って物を2つ程アズサ君に見てもらい、そこから修正ってパターンなんだけど、この時は作ってすぐにスッと収まる感覚と自信があって、これ一枚だけ送って見てもらった。そしたらそれがアズサ君にもスッとハマり、色味を少し暗めにするくらいでほとんど修正しなかった。よく野球選手が「ホームラン打つときってバットに当たった瞬間にわかるんですよね」みたいな事を言ってて、何言ってんだこいつとか思ってたんだけど、なんとなくその感覚がわかった。

 今見返してみても自分では手を加えたいとこはない。唯一、最近は必ず入れるようにしている、ライブハウスの住所、電話などのinfoを書き加えたいくらい。

 フライヤー作った事ある人はわかると思うんだけども、たいてい作ったフライヤーに対して、あまり評価や感想をもらう事ってないんだけど、このフライヤーに関しては、他の出演者やお客さんからもいい評価をもらえて、それがすごく励みになったし、嬉しかった。

 

 そして、自分の中でのかなりのポイントになったのが、これ。

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2019年11月17日 VIOLENT PARTYフライヤー

 制作時はかなり試行錯誤をして、上述の2月のフライヤーの記憶も新しかったので、かなり迷いながら作った。アズサ君にも中々刺さらず、色々提示し続けて落ち着いたのだった。今見返しても、結構悩んだ挙げ句落としどころが見つかってないなーという所はある。視覚的な効果を強めたくて、GIF画像にして点滅させてみたりもした。

 

 フライヤーの個人的な出来具合は置いておいて、このライブを見に行った帰り道の事、Moon Stepから中野駅に向かっていると、プラナリアコータさんがいたので駅まで一緒に帰りながら話をしていた時に、コータさんから「今日のフライヤーはりょーちんが作ったんでしょ、ありがとね」という事を言われ、その後に「フライヤーもその日のライブの一部で、出演者みたいなものだよね」って言われた事が凄く嬉しく、心に残った。基本、人から言われた事って、そこまでしっかり覚えてない時があるんだけど(失礼)、この言葉はすごく刺さって今でも忘れられずにいる。「もっとしっかりフライヤーを作りたいな」という気持ちにさせられた、気付きをくれた一言だった。

 この時コータさんからこの言葉をかけてもらってなかったら、いつか惰性でフライヤーを作るようになってたかもしれないし、「どうせ出演者とかのinfo以外はあんま見てもらえないだろうな」っていう気持ちで作るようになってしまっていたかもしれない。自分の中に「フライヤーを作った企画」って印象はあっても、「フライヤーもライブの出演者」という発想はまったくなかった。カッコよくて楽しかったライブのフライヤーがダサかったじゃカッコつかないよなと思った。本当に、尊敬できる先輩の言葉は身に沁みるし(だからこそ尊敬するんだけども)、今後のフライヤー作りのモチベーションで、スローガンになった。

 STAGNATION企画のフライヤーを作ると、最初はアズサ君からしかリアクションが無かったが、いつからか他のメンバー全員からもリアクションをもらえるようになり、それも今自分がフライヤーを作る上でのモチベーションになっている。デザインでは、STAGNATIONのハチ君はめちゃくちゃ凄くてぼくは中々到達できない所にいるなと思ってるのに、フライヤーとか褒めてくれるのは凄く嬉しい、ハチ君て裏表ない人だからなおさら。シンゴさんからはお任せで依頼をもらい、自分で楽しみながら作った結果、お褒めの言葉をいただくので、その辺もろもろ皆様の優しさが本当にありがたいことです。

 

 

 ここからちょっとイヤな話

 普段あまり濁して書くのは好きじゃないんだけど、今回はちょっとあえて濁して書きますが、某企画で、フライヤーを友達が描いていたりしていた時もあったが、その企画者からフライヤーに関してお礼を言われたり、ライブのゲストで来てねだとか、当然のように報酬もなく作っていた状況を聞いて、ぼく含め周囲からは、もう断っちゃいなよ、と言っていた時があった。

 ちなみに、ぼくはほとんど報酬をもらって作成した事はない。別に報酬が欲しくて作ってるわけではないし。やり始めた頃は、報酬がもらえるレベルの物を作れていないという意識もあったけど。TODESTRIEBの出演する企画や、Cの企画に関しては、自分の所属しているバンドのフライヤーだから、そもそも報酬をもらうのは違うと思っているし、STAGANTION企画に関しては、ゲストで入れてくれたり、音源をくれたりという事があるので、それでいいと思っている。アンダーグラウンドのパンクシーンにいる上では、その辺の相互協力があって成り立つと思っているし。なにより、それを生業としているわけではないから。作った物を見て、反応をもらって、そこから別の案件につながった事もあるので、自分のスキル向上に最適だと思っているし。

 ただ、上述の友達の件に関しては、やはり納得がいかない部分がある。フライヤーを他の人にも依頼して、同じ企画で2つも3つもフライヤーがあったりして、フライヤーに対しての思いはゼロなんだろうなと思ってしまう。その友達は、時間の無い中手描きのフライヤーを仕上げていたのに、それをさも当然で受け取られて、それで「はい終わり」はあまりにも自分勝手で失礼な話。報酬を出せないのなら、ゲスト枠を用意するから来てねとか、何かすべきだと思う。一回こっきりならまだしも、それが常と聞いているし。

 今のところ、その某企画者から依頼された事はないけど、依頼が来る事があったらそれは断るつもりでいる。そういう細かな部分のケアをできてない人なので、当然のように出演者へのケアなども出来ていないとかよくない話も聞こえてくる。そんな狭いコミュニティ内にぼくらはいるので、善意で協力したのに自分の足下まで掬われたらたまったもんじゃない。

 ここまでちょっとイヤな話

 

 

 さっきも書いたように、STAGANTIONのメンバーやシンゴさんと言った周囲の人の言葉や、プラナリアのコータさんの言葉があって、フライヤーを作る事がぼくの楽しみの一つになっていたりもしています。やっぱり、ライブの当日までは、視覚的な情報としてフライヤーしかないわけだから、そのフライヤーを見て「お、かっこいいフライヤーじゃん、このライブ行こう!」とか、一人でもそう思ってくれたら作った方としても嬉しいわけです。自分も、他のライブのフライヤー見てそう思う事もよくあるし。

 やっぱりパンクって、フライヤーとも密接な文化になっている音楽ジャンルというかカルチャーだと思うんですよね。80年代のフライヤーとか、今見てもめちゃくちゃカッコいいのとか多いし。殴り描きみたいなのでも、丁寧な切り貼りコラージュでも、バンドの主張が伝わってきたりするし。その一つ一つが魅力なんだと思っています。だからこそ、ダサい物は作りたくないなって思いながらいつも作ってる。作れているかは別として。

 部屋掃除とかしてると、たまに自分がライブハウスに通いだした頃のフライヤーとか出てくるけど、今見てもカッコいいのばっかりだもんな。

 

 これからも依頼がある限りはフライヤーを作り続けていけたらいいなと思っていますし、10年でも20年でも先に、昔のパンクのフライヤーをまとめたとか言う写真集でも誰かが出した時に、ひっそりとそのページの中に載ってくれればそれも本望。

 このテイストは、りょーちん作じゃね?って思われるレベルに持っていけたらそれが一番いいのかなー。

 

 というわけで、2021年7月23日のTODESTRIEB企画at西荻窪PitBar、よろしくお願いします!!!!!(笑)

 

次回ブログ更新未定、震えて待て!!!!!!