FLCLというアニメについて・その3 プログレ版【ネタバレあり】

どーも、ぼくです。

3本立てのズラズラと書き連ねたブログのラストになります。

 

初回はOVA版への熱い思い↓

 

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その2はオルタナを見た感想↓

 

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んで、今回その3はプログレを見た感想です。

最初は1コのエントリーでまとめるつもりだったんだけど、必要以上に長くなってしまったというのもあって、結局3分割です。

 

※このブログはあくまで個人的主観での内容になるため、解釈を誤っている部分もあるかもしれませんので、その辺は悪しからず。あと、なるべく批判的にはしたくない方向なのですが、まぁ前作への愛故にと、そこはね。

 

では、プログレ編です、どうぞ。

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2018年9月28日〜10月18日公開

内容的には

1話サイスタ 監督:荒井和人
2話フリハニ 監督:海谷敏久
3話ミズキリ 監督:小川優樹
4話ラリルレ 監督:井端義秀
5話フルプラ 監督:末澤慧
6話アワラン 監督:博史池畠

OVAオルタナ同様、全6話構成。

 OVAオルタナと大きく違うのは、全6話すべてが監督が違うという事。各話監督は上記の通りです。キャラクターデザインが久保田誓さんで、オルタナ高橋裕一さんと比べると、全体的にOVAの雰囲気に近い所があるように感じられたです。

 今回の主人公は中学生OVA小学生で、オルタナ高校生、その間に位置する年代ですね。最初にプログレの方が話が進んでいたみたいで、その設定を知った上村監督オルタナは高校生の話にしようと決めたという事らしいです。

 

 そう、前回・前々回のブログでも触れていたように、ナンバリング的にはプログレの方がフリクリ2と言う仮題だったんですよね。それを北米ではナンバリングの通り公開されたのに、なぜ日本ではオルタナが先に公開されたのか、そこが謎だったんです。

 

 プログレを見た感想としては、オルタナよりもフリクリしてた。と言うのが、最初に思い浮かんだのですが、それは僕自身が、OVAに対しての深い愛情があるからこそ出てくる感想だったわけで、つまりそれってこの映画でフリクリ初見の人には全く以て出て来ない感想なわけです。そういう意味ではオルタナの方がわかりやすい。

 確かに、日本では今まであまりフリクリが大きく取りざたされる事もなく、これまでは「伝説のOVA作品」だとか、サブカルアニメ」だとか、ちょっと特殊な括りで語られる事が多かった作品でもあった。対して、海外だとフリクリの人気はとてつもないようので、貞本さんなんかは海外イベントでのサイン会で、エヴァのキャラと並ぶくらい、ハル子の絵を描いてくれと頼まれる事が多いというのを、フリクリックノイズで言及していた。

 そこら辺から鑑みるに、つまり海外のフリクリファンはいきなりプログレから見せても問題ないが、日本の客にはちょっとフリクリっぽさってわかりにくいのかな?という判断で、じゃぁわかりやすいオルタナから!的な、つまりぬるま湯から馴染ませようとしたって事なのか?って、そう思えて来てしまって、興行側がファンのこと舐めてんのか?って気持ちになってきてしまった。

 

 まぁもう公開されてしまった以上、こういう文句はどこにも響かないわけで。そうなったらあとはもう与えられたものだけで楽しむしかないじゃんってなもんです。

 

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入場特典のパス風バスター君ステッカーはthe pilloesファンにも嬉しいデザイン。オルタナの時にも入場特典欲しかったわ…

 

 プログレの主な登場人物はこんな感じ。

●ハルハ・ラハル:ハル子が分裂したうちの一人、基本ハル子。金髪

●ジュリア・ジンユ:ハル子が分裂したうちの一人、基本マジメ。ダサグラサン

●雲雀弄 ヒドミ:無愛想。いつもヘッドホンしてる。メインヒロイン

●井出 交:メガネ。マジメ。主役っぽいポジション。

基本的にこの4人を主軸に、あとは周囲の人達が巻き込まれて行く流れ。

 

 事前情報は軽く見ていたんだけど「ハル子が分裂してラハルとジンユになったのね、それでラハルは林原めぐみさんが声を充てるのね。」くらいに思っていた。実際見てみると、OVAのハル子にしっかり寄せてるなぁと思う程に、林原めぐみさんの演技というのは凄かった。しっかりハル子してた。でもOVAをアホほど繰り返して見てるぼくは、やっぱり細かいニュアンス的な部分で、新谷ハル子なら、こんな声を出してそうだなとか、違和感を勝手に感じてしまってた。とは言っても、林原さんの演技は文句を言えるような物ではなかった。納得すら出来ていた。でも、話が進んで行き、後半ラハルがジンユを再び吸収して、ハル子に戻る瞬間があって、そこは演出的に新谷さんにしても良かったんではないの?って思ってしまった。ハル子がベースとして強く残ってるラハルの声を新谷ハル子のコピーにしてしまうんだったら、分裂したという事実は薄れて見えるし、合体後も声が同じってのはなんかなぁって。

 それなら、ラハルの声をもう少し林原感を出して、合体してハル子に戻った時に新谷感を全面に出して「そうそう、これがハル子だよ!」ってな見せ方にはできなかったんだろうかと思ってしまった。ラハルは見た目のベースが9割ハル子だから、まぁ仕方ないのかとは思うけど(吸収されたジンユ感はどこにもないが)。とりあえず、ラハルは金髪で、ハル子になった時には髪色がピンクっぽくはなってたという外見的変化は多少あり。

 林原さんは、パンフレットにも「私がハル子を演じていいのか?」というようなコメントを寄せていつつも、自分の中のハル子像を研究し尽くして、演じてくれていた所にもすごく好感が持てるし、新谷さん林原さんへ応援の手紙を送っているというエピソードもあり、そう言った部分からも、林原ラハルはよかったと思える。ゆえに、ハル子に戻った時くらいはなぁって、ちょっとワガママな気持ちになってしまった。

 

 初見後の不満ってのはまぁそんなくらい。

 

 オルタナを何度か見て、面白かったんだけど煮え切らない所がどこかあった感じのモヤモヤをそれこそギターで頭ぶったたかれた感じにスコーンと抜けていくぐらいの疾走感ってのはプログレにはあった。多分、今回の劇場版2作を語る場合に、OVA引き合いに出したとしても、比較する対象ではなかったなというのは、プログレを見た後に、自分の中に出て来た結論でもある。

 ゆえに、オルタナプログレの比較になってしまい、そのベースにOVAがあると言う図式に、自分の中では落ち着いた。

 

 

 前回ブログのオルタナ編にも書いた通り、オルタナOVAでの演出やセリフ回しを意識させるような演出がたくさん見受けられた。それは旧作ファンへのサービス的な物であり、ぼく自身もそういうOVAをなぞる演出をしている部分をさがし、見つけるのを楽しんでいた。ところが、プログレの方ではそれは顕著ではなかったように思う。しょっぱなジンユがヒドミをキャデラックでなんの躊躇いも無く轢くような所や、

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5話のアワランの中で、OVAでも印象的だった、コミック絵柄をそのまま持ってくる手法なんかはフリクリの世界観をそのまんま継承していた。あのコミック絵柄の部分は、CONTINUEの中で末澤監督が、(今回の制作の中で)他に誰かやってる人がいると思って確認したら誰もやっていなかった。」というような事を言っていたのだが、あれはぜひ入れ込んで欲しい要素だったので、末澤監督の功績はめちゃくちゃ大きい。OVAがもろに今石さんのタッチの少年漫画風な絵柄だったの対して、今回は少女漫画風なタッチになってるのも、対比があってよかった。

 

 冒頭わりとすぐに、OVAのキャラやオルタナのキャラがずらっと映し出されるシーンや、大人になって瓦礫の上でハル子のベースを持っているナオ太と思しき青年の後ろ姿や、カメラに映されたOVAでの橋の横の自販機の所の景色をタバコ吸いながら見てる多分マミ美と思しき女性の姿など、匂わせる程度の物は随所に見られた。そのため、それまでオルタナの方で見てた「これやったらフリクリワールド感あるっしょ!」ってな演出が、途端に過剰で陳腐で安っぽいものに感じてしまった。

 

 この時点で、プログレの方が面白いという軍配が頭の中で挙がってしまったのだ。言うなれば、プログレフリクリ2になり得た作品で、オルタナフリクリ3ではなく、フリクリ外伝という立ち位置に見えた。というか、そういう見方をする事で腑に落ちた部分があったのだ。

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 他にも、続編たる部分が見えるのは他の登場キャラ達にもよるわけで、カンチが再び出て来て、井出と合体してアトムスク化したり、声を聞いて一発で大倉孝二さんだとわかったマスラオは最後に管理局の課長と呼ばれるおばぁちゃんから「眉毛の辺りが父親にそっくりねぇ」なんて言われる事でアマラオの息子なんだと理解できたりして、そういう仕掛けがニヤリとさせてくれた。

 

 そういった感想を抱いた時に、この場合もしかしてプログレの方がStar overheadは主題歌としてあってたんじゃないのかな?なんて思ったりもしてしまった。曲調の雰囲気はオルタナにもあってたんだけど、歌詞がナオ太視点の歌詞なのはさわおさんが言ってる(というのを前回・前々回のブログでも散々言ってる)ので、これらの演出にあってたような気がしてしまった。

 Spikey Seedsももちろん好きだし、イントロの雰囲気から疾走感のあるプログレにはぴったりだとは思うが。

 

 他にもちょこちょこ気になった部分として、やはりフリクリ=鶴巻作品」という認識が、オルタナにもプログレにも共通して見てとれる所があり、フラタニティとかそういった単語が共通して出てくる部分からもトップをねらえ2!の存在はデカいと思う。現に、オルタナのラストではカナブンがエキゾチックマニューバを解放してバスターマシンとして覚醒したノノ同様、髪の毛がオレンジになったりもしていた。ではプログレはどうだったかというと、やっぱりその辺はしっかり控えめにだけど取り込まれていたと思う。

 また、ジンユがヒドミを轢いてしまったお詫びにと、ヒドミの家の喫茶店で働く(ハル子からヒドミを守るための口実がバレバレなのはジンユのマジメなのに抜けてる性格がわかりやすかった)となった時に、メイド服を着て皿をバキバキ割ってたのだが、

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これも、トップ2!の1話でノノがバーで働いていた時にウェイトレスの格好をしていたのと、皿を割るのだけは上手いと客からもマスターからも言われていた所からパロディのネタにしたんだろうなというのはすぐ感じた。

 

 プログレは、全体を通して、OVAオルタナよりもはっきりと「恋愛」というお題が見えていたのも特徴的だった。相変わらずアトムスクの事しか頭にないラハルを諭そうとするジンユとの変な三角関係だったり、ヒドミと井出の心の距離感がだんだん近付いて行くなかで唯一の常識人と思えていた同級生のマルコが人格がぶっ壊れたヒドミに恋しちゃったり(そして失恋)、恋したくてしょうがない森がレンタル彼女を依頼して、アイコちゃん(マスラオの娘だった)に彼女のフリをしてもらったり(そしてまさかの最後結ばれる)、出て行った父親を待ち続ける健気な側面もみせたヒドミの母親だったりと、大体の主要キャラはなんだか恋に浮かれてる。

 OVAでは、ナオ太の「ハル子も好きだしマミ美も好きだし、ニナモリも好きかもしれないけどやっぱりハル子かな〜」みたいなフラフラした感情(しっかりした恋愛観を小学生に求めるのも違うか)が描かれていたが、プログレではそれぞれの好きな人に対してまっすぐに見えた。オルタナでは大人になりたがったヒジリーの恋愛や、好きなのかどうかもよくわかんないというカナブン×佐々木の話なんかもあったが、恋愛というテーマはあまり感じられなかった。

 

 ラハルも今まで以上にアトムスクに対して執着しまくっていたし、まさか逃げられてジンユの胸の中で泣くとまでは思ってなかった。その前に、ハル子の思い人であるアトムスクについてヒドミは「変な鳥が好きなんでしょ?バカみたい、乙女みたいじゃん」と完全否定し、そこにハル子が何も言い返せてなかったのも意外だった。

 

 ただ個人的に嫌悪感を感じてしまったのが、ジンユを再び取り込みハル子になった時に、ハル子は妊婦のように腹が膨らみ、本人も妊娠したから先生をやめる!という事を言うのだが、今までハル子は人間っぽい(地球人っぽいという意味で)見た目をしているのに、宇宙人であるという謎の雰囲気を醸し出ていて、その謎がある部分に魅力を感じていたのであったが、妊娠(実際は性行為をしたわけではなくジンユを食べた)した事によって、一気に人間味が強くなってしまった。非現実というアニメの作品内での、非現実的だったキャラクターに人間性を持たせてしまった、ハル子も地球人と同じじゃないかというイメージを持たせてしまったかのように見えた。 

 オルタナは上村監督が自分なりのフリクリ像を描こうと模索した結果の作品だったので、外伝としての見方が出来る。でも基本的な、根底にある部分は曲げてはいなかった。わかりやすいフリクリと言っていただけに、前作を踏襲してなぞった上で、上村解釈での形に落ち着いていたんだと思う。実際ハル子は「宇宙人だから年はとらない」と相変わらずオルタナの中で言い続けていた。

 なのに、プログレ最大の汚点としては、そういう得体のしれないミステリアスで魅力のあるハル子に地球人と同じというイメージ、ナオ太に言い放った「少年の日の心の中にいる青春の幻影」であるべきなのに、そうする事で、今までは

・仮にハル子が実在して、でもそれは宇宙人だから生態は謎

という見え方だったのが、

・仮にハル子が実在して、そのハル子は妊娠する事ができる=人間味が増した=幻影ではなくなった

という、親近感のような感情を生み出してしまった気がした。

 ミステリアスな自分の欲望に従順で、目的のためなら手段もいとわない宇宙人って言うのがハル子のアイデンティティであったのを、人間味が増してしまう事でそれを薄めてしまったと思う。

 

 その後、OVAでは最後にチラりと映るだけで、今回初めてバカでかい姿をしっかりと長い時間現し、畏怖の念を抱かせる鳥頭の宇宙海賊アトムスクが、最後に人の形になってしまった(ハル子とサイズ感をあわせるため、アトムスクの力では形状を変えるのは容易なのだとしても)事で、今までそれこそFLCLを初めて見てから、今の今までアトムスク超かっこいい!!と思っていたのが、だせぇ…と思わせてしまったのだ。

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そりゃまぁドラゴンボールでもフリーザの最終形態は丸っこくてシンプルになったけども、元はGAINAX作品でもあるんだぜ、一番強いヤツがバカでかくて余計な飾り物とかバンバン身に付けてる方がかっこいいに決まってんじゃん!!!!!!!

 

 

 井出君が中盤まで大活躍するので、一見ナオ太にかわるポジションかとも思えそうだが、やっぱりキーになるポジションはヒドミだった。各話冒頭はヒドミの見るエグい夢が映されたりしたのという、ストーリーの進め方もそうなんだけども、自分の世界に余計な物が入って来ないようにするために、常にヘッドホンをつけ、耳を塞いで現実をみていないヒドミは、OVAの中で兄の幻想を追いかけ続け凄い事なんて無いから抜け出したいと思いつつも、変わる事へのとまどいがあってバットを振る事が出来なかったナオ太にリンクして見えたのだ。あるいは、貞本さんの絵と言う所からの連想で、碇シンジとダブる部分もあった。彼もいつもS-DATの音楽を聴いて周りから自分を意図的に遠ざけていたり、ウジウジしてるところだったり、中学生だったり、でもとんでもない力を秘めていたり、、、ってナオ太よりもシンジに似てる?

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ナオ太は退屈な日常の中に捕われていて、ヒドミは自分の夢の中に捕われていて、カナブンは拒んでいても常に変わって行ってしまう日常に捕われている、そういう何かに捕われていながら成長していく様子が描かれてるのがフリクリなんだろうなと。

 

 

         そしてカンチも何者かに(マスラオ達)に捕われていたw

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                  ダメっすよー神様なんすからー

 

 

 絵的な部分の話になると、今回ヒドミ含めいくつかのキャラクターデザインを貞本義行さんがされてるのですが、ヒドミって、もろに貞本キャラだなぁと思えて、ぼくはこのデザインめちゃくちゃ好きです。2018年の夏コミで貞本さんのサークル45yenで出された新刊の表紙にもヒドミ描かれてたので、すんなりと入ってきました。

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この表紙の色の塗り方とか見て、ゾンビ的な子なのかな?と思ったら、人間ではあったけど、ゾンビになる夢見ちゃったりするので、遠からず近からずイメージは汲み取れてたのかな?

 

 全6話、担当監督が違うことで、各話の振れ幅がどのくらい違うのかというのも、事前に気になっていたとこだったのですが、これに関しても、映像作品として面白い物に仕上がっていたんではないかと思った。他のブログもいくつか目を通したが、やはり5話の末澤監督の回が話題にあがっていた。末澤監督ジブリ作品のかぐや姫の物語を参考にしたという話で、それはCONTINUEのFLCL特集号でのインタビューでも話に挙げていた。この手法だと、原画の枚数は増えつつ中割りが減るから全体的にパカパカした動きに見えつつも、線が躍動的に見えてだいぶ印象かわりますよね。

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 OVAの時は若手(当時)アニメーターから大御所アニメーターまで、遊びに遊んでフリクリしちゃってる作品でもあったので、そういう意味でもプログレは引き継いでいたのかなと。オルタナはその分画一化されてしまってて、もっと遊んでてもよかったと思った。

 

 ただそれ故に、いい意味でも悪い意味でも統一感が無くなってしまってたのかなと。

 いい意味での統一感の無さは、それぞれの監督、原画マンさん達の作風の違いが色濃く出ていて、その辺がOVAに通じる部分があった。

 悪い意味での統一感の無さは演出部分が気になった。各話作風に統一感が無いのいい意味での統一感の無さととらえていたので気にならないが、5話と6話もっとも盛り上がるクライマックスになる所の話なのに「LAST DINOSAUR→I think I can」という曲の流れを繰り返してしまった所。型にハマってないのが魅力のフリクリで、型にハマってしまうのはなんともマヌケな気がしてしまった。OVAを意識してる作りになるので、その辺の選曲ってのはわからんでもないんだけど、その辺担当監督が違うにしても、擦り合わせしてよかったんじゃないかなぁ?

 

 プログレは1話サイスタのアバンでの夢のシーンの部分を西尾鉄也さんや篠田知宏さんが担当した」というのをパンフレットでの荒井監督のインタビューで確認。あのシーン、冒頭から迫力ありすぎてすごくよかった。西尾鉄也さんOVAでも原画で名前を見かけていたので、そういう意味でも参加されてるのがとても嬉しかった。

 あとはやっぱりラハルVSジンユの空中戦闘のシーン。海賊化したわけではない(というのがマスラオのセリフからうかがえる)が、2人とも光に包まれ、ラハルは赤くジンユは青く光り空中でバシンバシンやりあうシーンは板野サーカスのようでもあった。

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 他にも、N Oを使ってメカヒドミになった姿とか、銀色のロボットの敵なんだか味方なんだかわからないけどとりあえず強いぜ感エヴァ4号機的な)がかっこいい。メカヒドミがハル子と争って取り合う相手ってのがアトムスク化してる井出で、ここでも変な三角関係になってるのが面白かった。最終的にヒドミは井出を救い出し、ハル子はラハルに戻りまたしてもアトムスクを逃がしてしまう事で、ハル子の目的は普遍的な物である事も象徴づけられていた。

 

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  the pillowsの曲はやっぱり今回もFLCLの為に存在しているなと思わせるくらいの最高の親和性を感じた。 

 だからこそ、さっきも書いたように、Star overheadプログレに充ててもよかったんではないのかな?という気もした。

 オルタナは挿入の仕方がいくつか気になる所もあったがプログレではほとんどなかった。かなり気になったのが、3話ミズキリでのThank you, my twilightの使われ方だったのかと。今回2作ともに、あの曲の持つ雰囲気がバッチリはまる所が多かったので、水着回的なポジションだったミズキリでの、何気ない会話のシーンで挿入されたのには違和感を感じた。

 あと、個人的にBlues Drive Monsterthe pillowsの曲では好きなんだけど、OVAの中ではばっちりとハマっていて

メガネに貼りついてるように

どこを見ても

変わりばえしないこの景色

今日も退屈でがっかり

という歌詞がFLCLその物を表現していたと勝手に思っていたので、2作ともに使われなかったのが残念だった。まぁ歌詞の内容的にはヒドミの心情とも、カナブンの心情ともあってないからそりゃそうかw

 

 作中ヒドミがThank you, my twilightをアラームにしていたのを見て「あ、これはいいかも!」と思って早速アラームに設定したけど、起きるには起きたが、聴き入ってしまって二度寝してしまったので、アラームを戻したというのは余談。 

 

 

 と、オルタナプログレを見て、改めてOVAを見て、色んな人の意見を見た結果

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という事に落ち着くんですよ。

 

 ぼくにとっては、やっぱり3作全部見て、ベストはOVAだった。でも人によっては、わかりやすいフリクリを目指したオルタナだったかもしれないし、プログレの方がよかったと言う人もいるだろう。それでいいと思うし。そもそも比べるという行為がマヌケじみた行為だったのかもしれない。

 

 どうしても長い事愛された作品の続編はこういう論争が巻き起こる。宗教戦争のような物で、保守派と革命派の意見の衝突なんてのはよくある話。そして、長く続いたものであれば、古参や保守の意見が正しいものとされがちで、新しい物を肯定する事が異端とされちゃう事が多い。異端的な作品の位置づけにあったフリクリを好きな人間が、異端を容認出来ないって全然面白くないにゃーってなもん。オルタナを好きな人は、そんなアホな意見に怯えないで、カナブンのようにオルタナが好きだーーーー!!!!」って叫んでいいと思う。むしろ叫べ。セブンティーンは待っちゃくれないんだ。

 

 これからもOVAフリクリは1年に3〜4回、今まで通りのペースで見るだろう。その間に、オルタナプログレもはさむはず。これはこれで良かったからだ。というか、個人的には結構好き。なんなら両作品ともTシャツをしっかり買ってある。

 すいか。それとか、パンダの意地悪そうな顔とか、ツボの書いてある健康サンダルとか、黒板消しのにおいとか、朝起きたら雨が降ってた日曜日とか………ま、パンの耳よりは好き。

 結局は楽しんだもん勝ちで、つまんない意地はっててもつまんない。時にはマズいラーメンを食うのも悪くないって、ハル子さん教えてくれたわけだし(個人的に、オルタナプログレもマズいラーメンとは思ってない)

 

 なので賛否両論諸々あるかと思いますが、みんなそれぞれのフリクリを楽しんだらいいいんじゃないのかなって思う。そんで、思い思い語ったりして、自分の中のフリクリを固めていけばいいんじゃないかなと思う。そもそも、フリクリって言葉にはなんの意味もないんだから。

 

 

 

 

 

      心にいつもNEVER KNOWS BEST

FLCLというアニメについて・その2 オルタナ版【ネタバレあり】

 どーも、ぼくです。

フリクリについてダラダラと書きなぐってます。その2

 

前回のブログでは、主にOVA版についての熱い愛を書き連ねたわけでして。

ryoching240.hatenadiary.jp

 

 

参照↑

んで、今回分からは、劇場版の新作2作について個人的な思いを書き連ねて行こうかなと。これもオルタナ編とプログレ編と分離しそうだな、、、

前回ブログは文字色変えたりとか色々したけど、めんどくさいし、見にくい気がしたから、こっちは最小限に…

 

※このブログはあくまで個人的主観での内容になるため、解釈を誤っている部分もあるかもしれませんので、その辺は悪しからず。あと、なるべく批判的にはしたくない方向なのですが、まぁ前作への愛故にと、そこはね。 

 

まずはフリクリオルタナの方から

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2018年9月7日〜27日公開

内容的には

1話フラメモ
2話トナブリ
3話フリコレ
4話ピタパ
5話フリステ
6話フルフラ

という全6話構成で明らかにOVA版を意識した流れ。劇場版だし、150分近い上映時間あるし、区切りがあった方が見やすいような気もするし、150分の中で余韻も無く次の話に進んで一気に見てる感じがしんどいという、どちらとも取れる作り。これはプログレも同じ。

 初見時、まったくの前情報無しで行ったから、1話終わった際に「あぁ、こんな感じで進むのか」とは思ったけど、テンポは良く感じたので、中だるみはしなかったかなとは思うし、特別長いとも短いとも感じなかった。ただ、全体的に説明不足感はあったので、初回全部見終わった後に頭の中を整理するのが追いつかなかった。

 

 とりあえず何回か見ないと理解が追いつかないと思って、計4回見たのですが、3回目であらかたしっかり頭に入っててそこからはじっくりと集中して色んな部分に目を向ける事が出来たかなぁと。

 上村監督のインタビューでは「分かりやすいフリクリがあってもいいと思う」といううコメントが各所で見られたのだが、その点に関しては「?」という部分も多少なりともあった。とは言え、まぁざっくりした話の流れとしてはわかりやすい。

 

 これは女子高生の青春群像劇であって、OVAではナオ太が日常が変わっていく物だと言う事を受け入れて成長したのに対して、オルタナの主人公カナブンは、いつも通りの日常がずっと続いて行ってほしいと願い、その道を選択したという展開。

 

 本筋としてはハル子が出て来て、メディカルメカニカと戦うためにカナブンのN Oを利用してひっちゃかめっちゃかして行く所は前作と同じ。大きく違うのは、ハル子がアトムスクを追っかけていない事。話にアトムスクが出て来ない時点で察した部分もあるけど、前作ではキーアイテムでもあった、ハル子がアトムスクの存在を感知するために着けていた(元)手錠のブレスレットをしていなかった。これによって、ハル子の存在意義ってなんだろう?青春の迷える子羊なカナブン達にアドバイスをする、ただのいい姉御ポジションになっちゃうじゃんっていう気はした。

 ハル子の乗ってたVespaはナンバープレートが「マバセ 56−56」になっていたので、時系列的にはOVAの世界のあとって事なんだよな?とか。そうなると、前作でハル子が最後に回収したアトムスク化したナオ太が持ってたダブルネックのギターはどこにいったんだ?という疑問も残った。

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         在りし日のOVA1話のハル子さん。「惹かれてしまったのだよ、父は」

 

 ハル子の魅力ってのは、トムスクを手に入れると言うただ一つのエゴで自分の行動を全て決めて、ナオ太がハル子に愛情を持った事がわかったとしても、N Oを利用する為だけにメチャクチャやりまくる、でも最後に「タッくんはまだ子供だから」と言って、ナオ太を上手い事傷つけずに、また自分勝手な旅に出かけるような、そんな奔放なヤツだったから最高にかっこよかったし、そういう破天荒な経験をして、ナオ太は大人になれたんだと、オルタナを見て再認識をしたりもした。だから、主人公の成長を描くと言う部分では本質的にフリクリではある。

 

                  しかし 

 

自分の目的のためカナブンの頭をぶん殴ってN Oとのチャンネルをつないで、メディカルメカニカのロボを出すというのは従来のハル子なんだけど、その目的がわからないことと、トムスクに触れない以上、ただのクレイジーでバイオレンスなお姉さんでしかないのだ。

 ケバブを売ってるセクシーなハル子さんだったり、女医さんの格好をしてるハル子さんが魅力的かと言うと、そうではない。というか、ぶっちゃけそういうのは求めていなかった。

 

 とは言っても、初回・2回目は批判的な内容には一切耳を傾けず、素直にフリクリが好きだと言う気持ちだけを持って見に行っていたので、良い点をたくさん見つける事が出来た。最初から穿った見方をしちゃうのはもったい無いかなと、貧乏性なもんで。

 まず、やっぱり気が付いたのがOVA版をなぞるようなセルフオマージュ的な様々なシーン。

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 カナブンがバイトしている蕎麦屋にふらっと入って来たハル子がカナブンの頭がN Oの出力に適しているかをじーっと見ているとこは、ナオ太にもやってた。

 

 他にも、セリフが近似している所も多かったし、車のナンバープレートを語呂合わせにする(今作で出ているトシオの車は10-40、前作のミヤジュンの車は中の人の福井さんにかけて2-91だった)とか、版元から怒られそうなパロディ(前作はサウスパークだったり、今作はトランスフォーマーだったりスラムダンクだったり)とか、まぁ随所にフリクリらしさってのは散りばめられてた気がする。あ、これOVAなぞってるなって思う所を発見する度、ニマニマ出来るってのは往年のファンに向けてのサービス精神だったのかもしれない。

 しかし、こう言う演出も過剰すぎると「これやっとけばフリクリっぽいでしょ?」的な、「喜ぶと思うんでやっときましたー(棒読み)」的な演出に見えなくもない諸刃の剣。ぼくはそういうの好きな方だから毎回、そういう所を探して楽しんでたけど。

 

 全体的な作画部分に関しては、まぁ劇場版でたくさんの方が参加されてますし、時間もそれなりにあっただろうし、全6パートわけてるし、ブレもなく良かったと、作画ファンの観点からは言えるのですが、それでもやはりOVA版で吉成さん神作画や、今石さんや、すしおさんと言った一瞬の爆発力が素晴らしい作画、芳垣さんの丁寧な仕事、西尾さんのスタイリッシュな動き、いきなり作画がガラッとかわる大平さんのパート(そしてそれが許される、何も言わせない世界観)などに魅了されてしまったので、オルタナは丁寧な作画ではあったけど、少し物足りなさを感じた部分もあった。多分もっとド派手に出来たし、遊べたんでは無いのかと。ちょっと期待値が高かった…。

 

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 フリクリオルタナの主要登場人物は女子高生4人組(河本カナ、辺田友美、矢島聖、本山満)で、主にカナブンを主体にそれぞれのキャラにフォーカスがあてられるという、OVAと同じストーリー展開されていくっていう流れ。

 

以下個人的に感じた4人。

 河本カナ(カナブン)はもう少しウザ度が高かったら、最近やたらと多い、空気の読めない主人公みたいになってしまいそうなキワキワの所。それは友達思いが行き過ぎた結果であって、その友達思いが強すぎて「変わらない日常」を最終的に選ぶ事になった。

 辺田友美(ペッツ)はカナブンの幼なじみで、カナブンの良き理解者なのかなと思わせておいて、5話のフリステでいきなり外交官の娘で地球を捨てて火星に移住するという設定をどーんと出されて、最終的にはカナブンと喧嘩別れみたいな状況になり最後は登場すらせず。この子キーパーソンじゃないの?

 矢島聖(ヒジリー)は比較的、ナオ太に似ていると思った。大人ぶって背伸びしてる自分を大人と勘違いしていて、でもそれを認めたくないと思っていた所を、カナブンやハル子に気付かされて、素直になる。作中一番成長してた気がする。いい女キャラ。

 本山満(もっさん)は見た目のどっしり感で損してるかもしれないけど、一番しっかりしてるキャラクターだと思った。進路に迷う時期の女子高生の中で、一人だけ夢に向かって生きてる所。この辺の感覚ってのは、常にカメラを持っていてゆくゆくは写真家になったマミ美と通じる所があるのかなと思ったりもした。

 

 上にも書いたように、ペッツに関しての説明と、その後の描かれてなさって言うのは残念だったなぁと思った所の一つ。別に設定が後から出てくるのは構わないんだけど、途中、ペッツがヒジリーのペンを自分の筆ペンと交換してもらったり、もっさんのタオルと手ぬぐいを交換したり、最後にカナブンのヘアピンと自分のヘアピンを交換して、本当はこの4人でいたいという気持ちが、誰よりもあったはずなのに、言葉足らずでそこを上手く描けてなかったのかなと思ってしまった。

 フリステのラストでメディカルメカニカのメカに取り込まれかけていて、最後にカナブンとの会話をするシーンで、本当は行きたくないんだという気持ちがペッツから読み取れはするものの、それはきっと多分何度か見たからであって、初見の時には気が付かなかった気がする。あれだと、理解の低い人には「ペッツってなんかイヤなやつ」っていう印象だけで終わってしまいそうで、それはとても残念。

 しっかり読み取れる人には、ペッツのカナブンに対しての拒絶というのは、カナブン達が自身に対しての未練を残して欲しくないという思いやりからの精一杯の優しさだったんだろうなと言うのはわかると思うんだけど、わかりやすいフリクリを目指したんだったら、そこはもう少ししっかり描いてもよかったんではなかったのかな。

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拒絶しながらも、落下しそうになるカナブンにサッと手を差し伸べて助けようとするペッツからはやっぱりカナブンの事大好きなんだなってのが見て取れてよかった。

 

 そして、6話のフルフラで、移住ロケットが飛び立つのを海辺で見送るカナブン・ヒジリー・もっさんの3人という所は描かれたけども、ペッツの心情なんかはまったく描かれる事がなくて、最後にエキゾチックマニューバを解放したカナブンが「ペッツーーーー!!!!大好きだよーーーー!!!!!」と叫ぶシーン、あそこが一方的なカナブンの押しつけに見えちゃわないかと思ったりもしたのです。まぁ、このシーンめっちゃ泣いたけど。

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というか、あんだけ前作でアトムスクに執着してたハル子が、カナブンの額のマークを見て「アトムスク!」って反応しなかったのはなんでなんだ?

 

 カナブンの髪の毛がオレンジに光って、トップをねらえ2!その物やん!!と、トップファンのぼくは嬉しくなり、最終的には物質を動かすわけですけど、それがトップ2!のラルクの能力と同じ、星を動かす者になるわけです。んで、最後に異次元空間に引き込まれる登場人物達を写している所で、ハル子やVespaに重ねて映されるナオ太やマバセの光景っていうのが一瞬だけ見て取れたけど、あれは一体何を意図してたんだろう。

 

 個人的に6話フルフラでの最後のエキゾチックマニューバを解放する辺りthe pillowsの曲の中でも僕の中でかなり上位に入る好きな曲「Thank you, my twilight」が使われていて、上手い事当てはまってて好きなシーンでもあった。ただ、大事なセリフを言ってるであろう所に、歌を被せちゃうというのが、そのシーン以外にも見受けられて、その辺は正直、演出下手だなぁなんて思ったりもしてしまった。

 

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 あと、個人的に好きなのはこのブラック・カンチ(名称知らず)の出て来た所。やっぱりカンチのデザインはめちゃくちゃカッコいいし、それが黒くなって悪そうになるとやっぱかっけぇなと。6話冒頭では1体しか出て来なかったのが、最後の方に、集団で出て来た所が、愛くるしいマヌケなカンチとは違って、メディカルメカニカを邪魔する物を排除する為だけに動いているというロボット特有の感情の無さがはっきり見て取れるのがかっこいい。

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            OVA2話でナオ太を取り込んでアトムスク化してるカンチ

 

 というか、ぼくの中では勝手に、FLCLのアイコン的な存在はカンチだと思っていたから、メディカルメカニカのロボがただ出てくるというだけではなく、カンチが出てくると言うのは必然必須事項であって欲しかったので嬉しかった。

 

 最後はまた何気ない日常という事で、1話の冒頭と同じくカナブンが出かけるシーンから始まるのですが、1話冒頭と違うのは、街や人や物が今までのように輝いていないということ。そして、ヒジリーともっさんと合流したカナブン、そこにペッツはいない。なので、今までの日常の中の輝いていた物は、ペッツがいなくなってしまった喪失感を表現してるのかななんて思ったりもしたけど、まぁその辺は各々解釈なのかなと。それよりも、カナブンが引き寄せた惑星のような物が地球の真上にあるんですけど、それは一体?ペッツが火星に移住するって言ってたし火星引き寄せたのかなとも思ったけど、なんかそうでもなさそう。そして、世界中にあったはずのメディカルメカニカのでっかいアイロンはカナブンの街の物以外もN Oによって放り出されたのかも謎。なんなら、アイロンにつぶされてたカナブン達の学校に、また通おうとしている所で終わると言うのも、なんだかモヤッとする所ではあった。

 とは言え、この一番最後のシーン、そういう様々な疑問を取っ払って見ると、よかったなと思える所もあり、ペッツがいなくなってしまった日常の中で、カナブンは今まで通りの日常を変わる事無く過ごそうという事を選んだところ。この終わり方をする事で、ただOVA版をなぞっただけのフリクリでは無いんだぞという、変わる事を選んだナオ太と、変わらない事を選んだカナブンという前作との違いを明確に表せていたなと。

 

 そもそも僕はオルタナ(及びプログレに、前作と同じ物をどこまで求めていたのだろうかと再考した。もちろん、ハル子という存在がメチャクチャに暴れるというのは求めていた(ここは少し物足りなかった)し、なりふり構わぬパロディや、視聴者の理解の上を行き、見終わった後に色々思いを巡らせるような作りをしていること、the pillowsの曲が爽快感を出してくれているかどうか、その辺だったんではないかと思う。そういう意味ではかなり満足度は高かった。でもやっぱりOVAとの比較って言うのはイヤでもしてしまう。なんせ、もう何回見たかわからないくらいOVAは見ている。それくらい好きな作品だから。まだアニメの世界に疎かった自分が、アニメを制作の部分から好きになるきっかけになったアニメがFLCLだったわけで、その観点で見ると期待値はどうしても高くなってしまう。

 

 当然、FLCLOVAを見た事のなかった人が、オルタナ(及びプログレを先に見る事もあるはず。そういう観点で見たとしたら、オルタナはアニメ映画としては、いささかお粗末な部分もあったとは言え、面白い作品ではあったと思う。もう少し説明があったり、丁寧に作り込まれていればなお良かったのかなとも思う。2話のトナブリでのカーチェイスからのロボとの戦闘シーンなんかは爽快感があったし。

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 そもそも前作で、ギターが武器になってる事に関してはまったく説明もなされていなかったし、とりあえずなんだかよくわかんないけど、ヴィンテージのギターが武器としては強力なんじゃないの?くらいの見方でそこはクリア出来る。

 5話最後のカナブンとペッツのやりとりのシーンや、6話最後のカナブンが叫ぶ所なんかは4回見に行って4回泣いてるし、その位グッと来る物はあった。

 

 とまぁここまでダラダラ書いてきた結果、個人的にオルタナがダメだったなと思う点は、

●ハル子の目的がまったくわからない

●ペッツのその後がまったくわからない

the pillowsの良さを打ち消しちゃう演出

っていう所かなぁと。

 説明しなくていい所は省くっていうのは前作で鶴巻監督もそうやって作っていたから、それはそれでいいんだけど、前作はもう少しそこら辺、モヤッとしない程度に上手くやり過ごしてたんだよな。それに、OVAは買ってくれた人が何回も見て楽しめるように」という鶴巻監督の遊び心で、何回か見たらわかる仕掛けになっていたのである。その観点からいえば、一度買ったOVAは何度も見てもらいたい物なのでそういう仕掛けができるという事に対して、映画は1800円程を払って(曜日や時間帯に寄ってはもっと安いが)来る物で、場合によっては一度しか見ない人もいる。と言うか何度も足を運ぶ好き者はそうそういない気もするため、もっとわかりやすく作る必要があったのではないのかという気がする。オルタナは何回か見てそこのモヤが晴れる事はあれど、スッキリ!って程ではなかった作りになっていた。

 ハル子の目的って言うのは、OVA版を軸に考えると、トムスクへの完全なる執着手に入れる為ならどんな犠牲も知らないもーんってなくらいの突き抜けた所だったのが、今作ではセブンティーン達におせっかいを焼くお姉さんでしか無かったように感じた。

 ペッツのその後ってのは、まぁ別に描かなくてもよかったかもしれないけど、あんな風にキャラの設定を後からドカドカ出して来て、そんでもって一方的にカナブン達を突き放したように見せていなくなったペッツは、多分誰よりも一番悩んで悔しがっていたはず。青春群像劇をやりたかったんだったら、カナブンがエキゾチックマニューバを解放した後、ラストに少しでも映してあげないと報われない気がしてしまうからだ。

 the pillowsの良さを打ち消しちゃう演出は、前作ではインストバージョンも多用して、セリフと曲の雰囲気で、その場の空気感をしっかり出していたのに、今回は歌が入っている所にさらに「海は広いな大きいなー」って歌を被せちゃったりしてる。あれはダメすぎる演出。あのシーンは歌に歌被せなくてもよかっただろ。あれは初見の時からまったくもってダメだと思った。そもそもFLCLは、the pillowsのMVだと言う視点で見てる人も今まではたくさんいた。そういう見方をしてる人を切り捨てるような演出だった。

 

 OVA版の懐古主義的やっかい古参的な思い出補正でオルタナを受け止められない部分もあるのかなと思いつつ、オルタナ公開後にOVA版は2周見てるんだけど、やっぱり全体的にOVAの方が1話毎の区切りもしっかりしているし、きちんとオチがあったし演出もとにかく上手い。

 3話のフリコレなんかは、前半から中盤まではもっさんが「自分の夢は自分でかなえなきゃいけないんだ!」と叫び、ただおせっかいでなんとかしたいカナブンに気付きを与えるんだけども、謎のハル子のファッションショー(かっこよかったけど)から、最後のオチてない終わり方が、物凄くモヤッとさせた。あれ、終わり方もう少しきちんとしてれば凄く良い回なのになと思った。

 

 EDはthe pillowsの新曲、「Star overhead」で、これは前回のブログにも書いてるように、山中さわおさんが、大人になったナオ太がハル子との出会いを思い出している歌詞だと言っていて、それを思いながら聞くと、それだけで涙が出てくるような素晴らしい曲になっていた。それ故に、今回のオルタナだけを見た段階では、一番FLCLを理解してるのはthe pillowsなんではないかとすら思ってしまった程である。

 EDのアニメーションの中で、カナブンがフライングVを持って何かを打ち返したり、リッケンバッカーを振る所なんかも描かれていて、とりあえず最後まで前作をリビルドとまではいかなくとも、必要なパーツを抜き出して再構築した感じが浮き出てしまった気もしてしまった。

 

 キャッチコピーの走れ、出来るだけテキトーに。ってのは、この作品全体の作りの事ではないんだよね?と思いたい。

 

 待ちに待っていたフリクリの新作を見たという充足感はすごくあったけども、なんだかいまいち気持ちが晴れない部分がある中、プログレの予告が映し出され、それを見た限りでは、プログレの方がフリクリらしさはあるんじゃないかな?とそんな気にもなってしまいつつ、2週間モヤモヤとワクワクを抱えたまま時は過ぎ去り、プログレ公開となったのでありました…

 

続く

 

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FLCLというアニメについて・その1 OVA版【ネタバレあり】

どーも、ぼくです。

 またパンクの話を思い出す懐古ブログという、このブログを開設した本来の意味を放り投げた内容のブログ書きます。まぁよいではないか。

 

 今回のブログのネタはFLCLである。そう、フリクリ。そもそも「フリクリ」って何んなのよ?って言うのは、OVA版で主人公のナンバダ・ナオ太の父、ナンバダ・カモンも言ってたし、ナオ太は主人公のくせに「知らないよ!」と一蹴してたわけですが、実際の所どーなのよって話で、まぁ色々うちにあるフリクリ関連の本とか、ネットの情報とか調べた時もあったのですが、結論から言うと、意味はない。そもそもが、意味なんか求めちゃいけないこの作品のタイトルに意味なんか求める行為ことこそ無意味である気がする。とはいえ、一応由来はあって、本編の中のセリフの一部で、それをタイトルにどーんってなったようなのです。

 

このフリクリ、海外では非常に人気が高く、日本よりも海外でthe pillowsが人気がある原因になったりもしてるくらいの日本のアニメを代表する作品にもなってて、海外表記では「Fooly Cooly」と、バカっぽいのにカッコいい!みたいな感じになってて、そう言う意味なんじゃないかと思ってた時もあったけど、そうやら日本語の発音の「Furi Kuri」と言うのが、海外の人は読みにくいという話で、じゃあそれっぽく宛て字にしちゃえ!的なノリで後追いで着けられたという話。

 

 まぁぼくも当然当事者ではないし、単なる熱狂的なフリクリのファンであるので、どこまでが本当か知らないし、その情報も全部ウソなのかも知れないと思うこともあっても、まぁフリクリだしいいかと、簡単に納得出来るくらいに、この作品はぶっ壊れてるし、完璧なんだと、最初のOVA版が世に出て18年経つ今も変わらずそう思えちゃうんだから、まぁ信じる心っていうんですかね?そういうのって怖いなーって。

 

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 GAINAXProduction I.Gの共同制作のOVA2000年〜2001年にかけて、全6巻発売。当時のGAINAXと言えばエヴァバブルでやりたい放題出来る環境だったようで、テレビ版のエヴァンゲリオンで副監督を勤めた鶴巻和哉さん庵野さんから「次は鶴巻の番だからな」って白羽の矢が立ったという経緯でスタートした作品とのことです。

 

 ハルハラ・ハル子と名乗る広域宇宙警察フラタニティの捜査官(自称宇宙人・自称お手伝い・自称19歳)が、宇宙海賊アトムスクなる人物を、メディカルメカニカというワケもなく宇宙中の星々をデカいアイロン(プラントと呼称されてる)のような物で真っ平らにしちゃう謎の組織に捕まえられてしまったのを取り戻す為に、ナオ太達の住むマバセ市にやってきて、N Oという右脳と左脳の思考ディファレンスを使ったチャンネルがうんたら言うのがあって、ナオ太の頭をリッケンバッカーでぶん殴ると、頭からロボットが出て来てドタバタしちゃうっていうのがざっくりしたストーリー。

 

 見る人によっては、「ストーリー展開なんてのはどーでもいい、作画が最高なんだ!」って言っちゃう人もいたり、the pillowsの最高のMVだ!」なんて言ってる人もいたり、純粋にロボットアニメとして楽しんでたり、エヴァの流れを汲んで、勝手に裏設定を読み込もうとして拗らせちゃったりする人もいたり、100人見たら100人が違う楽しみ方を出来るアニメだったと思う。ちなみに、ぼくの場合はここに書いた感想全部ひっくるめて楽しんでるタイプ。

 

 そんで、事件ですよ。

「2018年にFLCLの新作劇場版やるよ!しかも2本!」

なんつって、発表されちゃったもんで、古参拗らせてるタイプのぼくは、嬉しい反面、複雑でもあった。というのもGAINAXからは原作権が2015年にProduction I.Gへ譲渡されてしまっていて、続編をやるにしてもGAINAXは絡んで来ないんだろうなというのは予測できたし、当時GAINAXにいた鶴巻さんは今はスタジオカラーに在籍しているから、監督として携わることがあるのだろうか?という一抹の不安を抱えてしまったのでもある。

 

 まぁその予感は的中して、総監督にProduction I.G本広克行さんが起用、フリクリ2と当初言われていたプログレの方は荒井和人さん、海谷敏久さん、小川優樹さん、井端義秀さん、末澤慧さん、博史池畠さんの6人体制、フリクリ3と当初言われていたオルタナの方は上村泰さんが監督をするという形で、鶴巻さんはスーパーバイザーというと立ち位置に。キャラデザに関しては貞本義行さんがキャラクター原案という形で携わることになりプログレの方では一部キャラデザ担当、オルタナハル子のキャラ原案というほぼノータッチ具合)、正直「大丈夫かこれ?」とすら思った。

 

 ストーリーは全くどうなるのか読めなくて、2作公開されるうちの1本は、OVAの続きでナオ太が大人になってハル子と再開する話なのかと勝手に想像してたりもしてしまったから、ざっくりした内容が発表された時にはとにかく驚いた。ハル子の声と言えば、あの独特の鼻にかかった甘ったるいけども、一度聴いたら耳にこびりついてクセになる声の新谷真弓さんと、相場は決まってるもんだと思ってたら、プログレの方は林原めぐみさんが声を担当すると。オルタナ新谷さんだけど、プログレ林原めぐみさんが声を(2回目)林原さんはぼくら30代そこそこの人にとっては馴染み深い声優さんで、芸歴も長いし演技も上手いし声の幅も広いから、声優さんの中でもトップクラスの人ではあるんだけど、キャスティング大丈夫かこれ、、、という不安もあった。海外版では、オルタナプログレの両作とも、OVA版から引き続きKari Wahlgrenさんがハル子の声を担当するという情報も知っていたからだ。

 

 そもそも、さっき上で書いていた通り、フリクリ2=プログレフリクリ3=オルタナというナンバリングが事前にわかっていたのに、なぜか公開はオルタナが先で、プログレが後に。と、思ってたら北米で先行で放送されたものは、プログレオルタナと、当初の予定どおりの順番だったという話も目にして、なんの意図があってこうしたんだろうかという懐疑的な気持ちが公開前に広がっていた。単純にややこしい。

 

 なんていうか、公開前の情報だけ見てると、フリクリらしさが欠如してるとすら思った。それでも、ぼくの人生に多大なる衝撃を与えたアニメでもあるフリクリの続編であるから、期待もしていた。と同時に見るのが怖かったりもした。きっと、吉成曜さん今石洋之さんすしおさんといった、FLCLOVA版で画面の中を魅力的に動き回ってたアニメーターさんの参加も無いんだろうなと予想はしてたし、結果それもほとんどその通りだった。

 

 しかし結果から言うと、オルタナプログレもぼく個人は楽しめた。なので、ここから先に書いて行く文章は、3作品の純粋な感情であり、一部批判的な文章になる所もあるが、それは拗らせたオタクの戯言ってやつであって、別に全体を批判する側の感想ではないということを先に書いておきます。

 

 オルタナ公開直後に批判している内容を書いたブログもいくつか見つけて、読んでみた所、ただ批判してるわけではなく、FLCLという作品に求めている物の尺度の違い、愛情の深さなど、そういった部分が汲み取れる物ばかりだったので、言ってることはよくわかるという気持ちになったし、批判してる人に対してイヤな気持ちは一切なかった。基本的に、頭カラッポの状態で初回は見たいので、ネタバレになってもいけないし、穿った見方をしてもよろしくないと思って、賛否両論どちらの文章も、3回目の鑑賞をする前に初めて目を通したのですが。それぞれ思うことは違うので、批判の意見を書いてるブログを読んでみるのも面白いと思う。

 

 うーん、これ長くなるやつだ。まだ導入だし。当初、まとめて3作品分書こうかと思ったけど、分割する事にします。

 

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フリクリ - Wikipedia

 

Vol.1「フリクリ」(2000年4月26日発売、DVD:KIBA-478、VHS:KIVA-478)副題は、スタジオミュージシャンの作ったアルバム『Fooly Cooly』より。

Vol.2「ファイスタ」(2000年6月21日発売、DVD:KIBA-479、VHS:KIVA-479)副題は、The Prodigyの「Firestarter」から引用した劇中のゲームタイトルから。

Vol.3「マルラバ」(2000年8月23日発売、DVD:KIBA-480、VHS:KIVA-480)副題は、『長靴をはいた猫』に登場するカラバ公爵をフランス読みにした架空の領主「マルキ・ド・カラバ」より。

Vol.4「フリキリ」(2000年10月25日発売、DVD:KIBA-481、VHS:KIVA-481)副題は、「振り切り」より

Vol.5「ブラブレ」(2000年12月21日発売、DVD:KIBA-482、VHS:KIVA-482)副題は、「Brittle Bullet」(もろい弾丸)、ナオタの言動から。

Vol.6「フリクラ」(2001年3月16日発売、DVD:KIBA-483、VHS:KIVA-483)副題は、「FLCLimax」より

以上、Wikipediaより。

 

 今でこそ、OVA版なんて言い方になっちゃったけど、劇場版新作2作見た今でも、FLCLはこのOVA版の全6話であって、それ以上でもそれ以下でもなく、劇場版はフリクリオルタナと、フリクリプログレだったなぁと。不特定多数(少数?)が見たりするだろうブログだから、便宜上OVA版と呼称してるけど、あんまりその言い方は好きじゃなかったりする。

 

「すごい事なんてない、ただ当たり前の事しか起こらない」

 このナオ太のセリフから始まっていく中、ナオ太ハル子と出会い、すごい事に巻き込まれて、ハルハラ・ハル子サメジマ・マミ美ニナモリ・エリとの3人の女性とのエピソードの中で、やがて変わって行く事を選んで行く…そんな話。

 

 まず、初めて見た時の感想は結構鮮明に覚えていて、全6話見終わった時に、爽快感がすごくあったのだが、それと同時に「?」がめちゃくちゃあった。全6話という少ない話数の中にとてつもない量の情報が詰め込まれていて、それが設定上意味のある物もあれば、まったく意味の無い物もあったりしたからだ。

 

 後日、フリクリックノイズ」という鶴巻さん貞本さんフリクリ全6話を見ながらゆるーく話をしていくという座談会をまとめた書籍を手に入れ、それを読んで初めて意味を知った箇所も結構あるくらい、それぐらいにこの作品は初見時には視聴者を置き去りにしていくとんでもない作品だったのだ。そのくせ、前述した様に、the pillowsのMVとして最高だとも言われる、BGMの使い方がすごくスタイリッシュで、曲を聴く度に情景が思い浮かび、また見てみようかなという気持ちにさえなってくる不思議な魅力をもっている作品で、多分もう通して30回以上は見てるんではないかと思う。

 

 ぼくはDVD-BOXと、単巻でDVDを全巻持ってるというのと、自宅でブルーレイが見れない環境なため、10年以上DVDの画質で見ていて、それが当たり前の画質クオリティとして頭の中に刷り込まれてしまっていたため、つい先日dアニメストアで配信が始まった時にHD画質で見てみたら、曇ってたメガネをキレイにした以上の感動画質が目の前に広がり、そろそろ人生の3分の1以上の年数くらいの期間見続けてきたのにも関わらず、ここにきて作画レベルで新しい気付きが自分の中にあって、とにかく感動したりもした。ぼくにとっては死ぬまで楽しめるアニメだなという確信にかわった瞬間でもあった。

 

 んで内容をかい摘んで書いてくと、

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まず1話のこの、橋の上での戦闘シーン。ナオ太の頭の中から、なんの説明もなく出て来た2体のマシンが理由もわからずなんかいきなりどっかんどっかん戦いだすんだけど、意味とかよりもまず、こんな動きしてるロボ初めて見た!と興奮して、ネットもまだいまいちだった頃なので、なんか色々本やらなんやら探して読んで、吉成曜さんが作画しているシーンだったと後に知り、FLCLを見てしまった事によって、アニメーターオタクの人生が始まったというのはまた別の話。結構色んなアニメーターさんのインタビューなんか読んでても、このシーンに影響を受けたなんて方多いのです。

 

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 あとFLCLと言えば、1話と6話でのこのマンガが動くシーン。ここは今石洋之さんがマンガも描ける人なので、という事で、今石さんが描いたというシーンなのですが、6話の時にメタ発言連発しまくってて、それによると「撮影さんサイドからとても大変だからもうやめてくれと言われた」という説明がなされるも、それを最初の話と最終話できっちりやっちゃう所がすごい。というか、これをやるからこそ、ストーリーが全部つながって上手い事着地する要素の一つになっているんだと思う。オルタナ初見時に、4話にあたるピタパト」アイキャッチを見た時に「もしかしてこのコミックの手法使われちゃう!?」ってひっそり期待してたものの、出て来なくてがっかりしてたら、プログレではしっかり出てきてました。

 

 とにかくFLCLと言うのは、さっき書いたように、情報量が多い。多いんだけど、6話の中でそれがきちんと表現されていた。あれがきっと1クールアニメとして放送されていたら、あの疾走感はなかっただろうし、設定を事細かに説明してたら、それはそれで堅苦しい面白くない話になってた気がする。6話に全部が適量きちんと納まってた。説明しなくてもいい事は省かれているけど、それは何度か見たら大体わかるような仕組みなっている。フリクリックノイズの中で鶴巻さんが言っていたのが「せっかくOVAを買ってもらってみてもらうんだし、1回見てわかっちゃったら勿体ないから、何回か見てもらったらわかるようになっている」という様な事も言われていた。初見時には視聴者を置き去りにしていくくせに、何度か見ていると、きちんと話のつながりを見せてくれるのだ。

 

作画@wikiを見てると、誰がどこの部分を担当したっていうのもちょろっと書いてあるので、アニメーター好きな人はこれを見てみるといいと思う。

 

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 作画で衝撃を受けたのは、2話のBパート冒頭。もうね、まったく絵柄が違う。フリクリのキャラデザは貞本義行さんではあるものの、制作当時彼氏彼女の事情が進行中だったようで、雰囲気はカレカノのキャラデザの平松禎史さんっぽさがあった。そこでこの絵柄である。さらに何に驚いたかって、ここの作画の担当が大平晋也さんAKIRAとかTHE八犬伝なんかで活躍した大御所アニメーターさんですよ。これも、フリクリックノイズに当時の事が話に挙がっていて、この話の作監だった今石さん作監修正を出さなかったため、そのまま使われたと。なんならテロップ入れてごまかしちゃえばよくない?って、それが出来るのもFLCLだからっていう。ちなみに、ぱっと見誰かわからない作画を逆手にとって、2話で初めてキャラクターの年齢が好評されることにもなったのは怪我の功名的なw

 

 他にも、すしおさんが本名の石崎寿夫名義で参加してたり、錦織敦史さんが原画ではなく動画で参加してたり、しれっと庵野さんが参加してたりと、作品もそうだけど、スタッフも超ハチャメチャなのである。だから結構絵柄がコロコロ変わる。際どいパロディなんかもガンガンぶち込んでる。でも許される、FLCLだからって言う一言で片付いちゃうから。

 

     

  そしてやっぱり忘れちゃいけないのが、the pillowsの音楽。ちなみにこのシーンは、ナオ太カンチに食べられる所をすしおさんが作画してて、そこがのちのグレンラガンキルラキルへの序章に感じられる所が胸を熱くしてくれる。

 

 the Pillowsの曲は実はほとんど既存曲で、鶴巻監督がthe pillowsを好きで、納得がいった形だったから依頼をしたという経緯だったようで、最初鶴巻さんからは、「ONE LIFE(という曲)のようなバラードを主題歌として作ってくれないか」と依頼したのに、当時は相当ひねくれてたであろうthe pillows山中さわおさんは、Ride on Shooting Star「こっちの曲の方が自信あるし、あってんじゃない?」って独断で提出したら、驚かれはしたもの、きっちり採用になったとwエンディングの絵コンテ等はそれによって全部作り直したという話は、山中さんのインタビューでも読めるし、鶴巻さんも各所で言ってますね。

 

      

 このEDではアニメと実写と両方出てくるのですが、それがまたいい。摩砂雪さんの仕事ってほんと印象に残るものばっかだな。この実写のVespaは鶴巻さんの所有だったみたいですが、ストップモーションみたいにして撮影してたらボコボコになったとか。Vespaに貼られていて、フリクリを象徴するような「P!」マークのステッカー、これってthe pillowsからとったのかな?って当初勝手に思ってたけど、鶴巻さん曰く「なんでP!にしたかまったく覚えていない」そうです。

 

 それにしたって、the pillowsの曲はナオ太の葛藤する心情や、FLCLという無茶苦茶な世界を表現するにふさわしい歌詞や、疾走感にあふれてて、本当にかっこいい。ぼくは、the Pillows自体はFLCL以前から知ってて、というのも、KENZI & THE TRIPSのベースだった上田ケンジさんが初期メンバー(後脱退)だったりしたのものあって、名前は耳にしてたけど、存在を知った頃のthe pillowsはまだ斜に構えまくってた頃で(多分98〜99年頃)、自分もまだ中坊のくせに、なんかその雰囲気が苦手で、聴かず嫌いをしていたのだった。それが、FLCLを見て「え?誰の曲?」って見たらthe pillowsだったと。数年分無駄にした気持ちでいっぱいだった。その為、最初FLCLを見た時は。すべてthe pillowsの新曲で固めてるもんだとばっかり思った、そのくらい歌詞も曲調もしっくり来てる、とにかく親和性が高い。

 

 だからこそ、オルタナのテーマ曲として、ストーリーの開示前だったため、山中さんが、「大人になったナオ太ハル子の事を思い出している心情を表したくて作った」と言っているStar overheadの歌詞が、OVA版をこよなく愛する僕にはすごく胸に響いて、初回鑑賞時に、オルタナの内容そっちのけで、感動して涙が出てしまった。言ってしまえば、OVA版の続きをStar overheadの中で見てしまった気分。だからこそ、オルタナは作品全体の雰囲気として、旧作からのファンからの批判を浴びてしまった結果にもつながるんだろうなと、複雑な気持ちになってしまった。

 

 

 ここまでひたすらにダラダラと長々と書いて来たけど、まだ言いたい事はたくさんある。例えば、松尾スズキさんや、大倉孝二さんと言った、本来俳優として活躍している方の熱演であったり、本編以上にひっちゃかめっちゃかなドラマCDだったり、ネタの宝庫なのである。そしてそれは発表されて18年経った今も色あせないし、最高なのである。そのくせ、これだもんな。

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NEVER KNOWS BEST(ベストなんか誰にもわかんない)

 

 とにもかくにも、FLCLってのはこれなんだという事。

 今回の劇場版で知った人には是非OVA版も見てもらいたい。なぜなら、OVA版の中のネタが随所でセルフオマージュされて出て来ているから。それがわかった上で劇場版を見ると、ニヤッと出来る箇所多数。

 

 もう全然語り尽くせないこの感情どうしたらいいんだ。誰か朝までFLCLの話をしよう、それに付き合ってくれないだろうか。マミ美とはまた違った物が頭から溢れてきそう。

 

とりあえず、OVA版に関してはこんなもんでとめておこう。こんなの誰が読むんだよって、ブログ書く度いつも思う。大体自分の書く文章長過ぎんだよな…。

 

まぁいいか。てことで続きは↓

 

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コミックマーケットC94に行ったお話

 こんつわ。夏生まれのぼくは、今年の夏も何事もなく終わってしまう気がして、34歳になってしまった事の焦りを感じたりもしてるのです。

 いや、あった。今年の夏はあった。連日の猛暑もそうだけど、それだけではない熱いイベント。コミックマーケットC94だ。

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 毎年夏と冬におじゃましてるビッグサイトさん、お世話になっております。記憶が曖昧なんだけど、初めて行ったコミケは18歳か19歳の時の夏コミ。当時マクドナルドなんつー、美味しくもないハンバーガー売ってるお店あるんですけど、そこでバイトしてて、夏コミの時に有明の店舗が混むからヘルプに行ってくれと言われ、コミケ始発組と同じ電車に乗って朝7時からお手伝い。朝から「ビッグマックとポテトとコーラのLセット!それと単品でダブルチーズバーガー!」なんつー注文が飛び交い、どこだかの時間帯が、売上の記録をたたき出したなんつって、後日マックカード500円分もらったりもしたんだけど、そんな話はどーでもよくて。早朝からのバイトだったから昼過ぎにはあがり。暇だしどんなイベントか気になるからちょっくら覗いてみっか!って覗きに行ったら思いのほか人いないじゃん的な。まぁその時知らなかったけど、夕方には終了してしまう健全なイベントのため、15時頃に覗きに行っても、そりゃまぁイナゴに食い散らかされた田んぼみたいになってますわ。そんで、興味持って次のコミケ行ってみっか!なんつって、行ってみたらまぁ人の多い事。エグい事。んで、当時はアニメーターさんとかよく知らなかったし、なんとなく目についた本とか買っては見た物の、公式版権物じゃないとハァハァ出来ない人なので、満足度が足りなかった。

 その後も、今程の熱量は無いにしても、どこか1日だけ行ってみたりしつつ、なんとなくコミケ行ってたのでしたが、就職して、仙台に転勤になってからは行けなかったり、その後BiSにどハマってコミケどころじゃなかったりして、結構行かない時が続いたのでした。

 再びしっかり行くようになったのは、2014年の夏コミから。BiS解散したし、他に見に行ってるアイドルもいないし、アニメ畑に戻るぞ!なんつって。コミケじゃないオンリーの同人即売会はたまに行ってたけどな。ラブライブとか。

 そうこうしてたら、今年の夏コミが「平成最後の夏コミ」になって盛り上がったりしてたとかしてなかったとか、いや、してた。

 

 去年の7月にTODESTRIEBのライブの時に蒲池君と知り合い、コミケに共に行く仲間がいない事、アニメーター(特にTRIGGER周辺の方)が好きな事など共通点があって、んじゃ今年の夏から共同戦線で頑張りましょう!なんつって、コミケ行くようになったのは今回で3回目。蒲地君の友人の阪野君大崎君というコミケ初参加の2人を無理矢理引き込み、今年の夏コミは4人で突撃じゃ〜!なんつって。

 

 とりあえず、書く事多くなりそうだから、買ったものはTwitterのモーメントにまとめてあるので。

 結果から言うと欲しかった物は8〜9割手に入れられたので一安心という所。予算は大きくオーバー。やはり、人気のアニメーターさんの作品を手に入れるには始発で行ったり、買うまでに1時間近く並んだりと、まぁそれなりの苦労はするわけです。まぁ、このくらいだったら、ブログに残そうとは思わない、いつものコミケなのだ。今回は、神と崇めるくらいのアニメーターさん達からサインをもらえたというのがでかい。そう、とてもデカい。それを記憶と記録に残したい。

 

 まず、1日目に僕が向かったのは企業ブースのproject No.9さんのブース。りゅうおうのおしごと!や、ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?や、ロウきゅーぶ!を作った制作会社さんなんですが、今までは一般サークル参加で第九計画というサークル名で参加してたのですが、今回はりゅうおうのおしごと!関連を大きく打ち出し、企業ブースに制作会社としてブースを構える事に。シャフト京アニなんかはいつもブース出して参加してますね。

 そして、限定セットとして、矢野茜さんのサイン会の参加券の入ったセットを売り出すとの事。これは手に入れなくてはと、企業ブースへ向かったのでした。というか、発表があった時からすでに気持ちはブースに向かっていたのでした。んで、朝早くから行った甲斐もあって、無事ゲット。サイン会は最終日3日目なので、大事に参加券をとっておきます。

 この時、project No.9さんのスタッフさんに、Twitterを担当してる方を伺って、挨拶させてもらうと、差し入れを渡してたり、Twitterで色々絡んでたりしてる僕の事知っててくれて、いつもありがとうございます。なんて、凄く丁寧な対応してくれて、ますます好感があがりました。こちらこそ、いつも面白い作品をありがとうございますです。

 

 んで、ひとまず2日目の話へ。この日も好きなアニメーターさんが何名か参加される日だったので、気合い十分です。2日目は蒲池君のツテもあり、チケットで入れる事に。ぼくの並ぶ所は大きい所ではなかったので、開場時間まで、サークルの配置をチェックしながら、目当ての所をしっかり見てきます。この日は、TRIGGER作品で活躍されてるalbacrowの斉藤健吾さんが、コネコタンクというサークルで参加。そこに半田修平さんもいて、ぼくの中のアイドル的存在の2人がいる、キャーなんつって、ミーハー状態になりつつも、冷静に。設営中のブースの写真を撮ってもいいですか?って聞いたら快諾してくれて、撮影。あとで気付いたけど、斉藤健吾さんちゃっかりピースしてくれてたの嬉しい(ミーハー)

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 一通り買い物が終わり、蒲地君と合流して、蒲地君斉藤健吾さんのブース見に行きたいという事になり、再び覗きに行くと、時間も昼をすぎて、だいぶ人もまばらに。そしたら斉藤さんからサインもらってる人がいたので、すかさず自分もサインをお願いする。数日前に誕生日だった斉藤さんに誕生日おめでとうございますと告げ、会話してると、

「どっかで見た事ある気が〜」

僕「Twitterですかね?」

「あ、そうだ!」

という事になり、Twitterのアイコンを自分の顔にしておくのと、心のこもった応援のメンション送るオタクであるとこう言ういい事あるんだなと思いました。

 半田修平さんからもサイン貰いたかったけど、半田さんの既刊本はすでに持ってたので、次回のチャンスを狙いたいと思うのです。

 

 そして、時は3日目。エロのジャンルが参加する日で、コミケで一番人が来る日。と、同時に大御所アニメーターさんや漫画家さんなんかも参加する日なので、まぁとにかく人が多い。この日はぼくはアイマスイラストレーターでお馴染みの杏仁豆腐さんの新刊が欲しくて、死地に飛び込み1時間程並び、無事ゲット。その間、他を回ってもらってた蒲池君達は着々と買い進めてくれまして、ありがとうございました。それもこれも、3日目当選・参加予定の宇宙君が、新刊を落として、気持ちも落として来なかったからチケット入場出来なかったせいや!!

 

 さて、3日目は矢野茜さんのサイン会もあるので、それを心待ちにしてたのでありました。サイン会の列形成開始され始めて少ししてから待機列に。この時、先日ご挨拶させてもらったproject No.9のスタッフさんが僕を見かけて「ありがとうございます〜」ってわざわざ言いに来てくださって、「こちらこそありがとうございます」という気持ちでいっぱいになったのです。

 「サイン会では名前を書いてもらいますので、用紙に名前を書いてお待ち下さい」と言われ並んでたのですが、矢野さんはぼくの事知ってるしなぁと思いつつも、印象悪くしてはあかんと思い、名前を書き待機。順番近くなってきたとこで、スタッフさんに名前を書いた紙を渡します。

スタッフ「では名前、確認しますね。りょーちんさん、、、でよろしいですね、、、あの差し入れくれてる方ですか?」

 と、別のスタッフさんからも覚えられてた私。こんなただのファンというかオタクを気にかけなくても〜と思いつつありがてぇと思いました。

 

 んで矢野さんのサインを無事いただきました。販売されていた、複製スケッチブックのどこか好きなページにサインと言う指定があったので、自分の一番好きなイラストのページに。すると矢野さん「私もこの絵が一番気に入ってるんですよー!」とのこと。ちょっと嬉しい(照)そして軽い世間話もしつつ、こっちでまた勝手に作った物をお渡しし僕大満足。アニメプロデューサー轟豊太さんもいたので、一方的に知ってるけど、声かけとこ!と思って、先日開催されてた秋葉原アニONステーションでのりゅうおうコラボの動画面白かったので、またなんかやってください!と感想を伝え、ぼくさらに大満足。蒲地君と合流して、軽くダラッとして夏コミ終わりかなぁ〜なんて思いつつLINEを送ると「今石さんからサイン貰えそうです!!」という返事が。

 

今石さんて?あの今石洋之さん?

まじで?神様やん!!!

 

 しかしその時ぼくはビッグサイト東館の一番端っこ。蒲地君ビッグサイト西館の端っこ。時間帯的には15時くらい、空いてきた時間とは言え、どんだけ急いでも5分以上かかる。しかし、優良コミケ戦士を自負する私、コミケ会場で走るわけには行かない。(これ大事)というわけで、物凄い早歩きで移動しましたとも。そしてみごとに5分程で到着。蒲地君はすでに今石さんからサインをもらっていたが、錦織敦史さん、コヤマシゲトさんもいらっしゃったので、そのお二方からもサインもらうチャンスを窺っていたのでした。なので、その間に今石さんに忍び寄り、サインを頂きました。

  暑さとお疲れのところ、サインを描いてくれて本当に感激です。緊張しすぎて、自分でも何言ってるのかよくわかんない感じになってしまったけど、お礼を伝えて、ほくほく。そして、錦織敦史さんの所へ行き、サインをいただく。本来、サイン会的な流れでも無かった所、僕ら含め数名のファンがサインをもらいにきてた状況で、「なんだかサイン会みたいになっちゃったなぁ〜(苦笑)」と言いながらも、サインして下さいました。

  アイマスPな自分は、いつか錦織さんに会えたら絶対伝えたいと思っていた事があり、アニマスを作って下さって本当にありがとうございました!」と伝えると、「はは、ありがとう(今回ダリフラ関連やろが…)と少し戸惑った感じでお返事を。2大巨匠からサインをもらい、ド緊張しました。最後にコヤマシゲトさんの所へ。まず、蒲地君がサインをもらいに行き、名前を聞かれ「かもちです」と言うと、聞き慣れない名字なので、「え?かもつ?あ、、なのね。ちんこのち、ね」なんて言いながらサインしてました。今石さん、錦織さんに比べると、だいぶ砕けた感じもあるし、これは行けると思った僕は、名乗る時に最初から「りょーちんです、ちんはちんこのちんです!」と食い気味に自己紹介。するとコヤマさん、スラスラっとちんこのイラスト描いてくれましたw

 おおお、これはすしおさんが以前コヤマさんがちんこの絵描いて笑わせてくる、みたいなツイートしてた時に写真に載ってたちんこ君じゃないか!と思ってたら、近くにいたコヤマさんの知り合いと思しき女性が「この人しょっちゅうコレ描くんですよーwww」なんて言ってました。コヤマさんが描いてくれたちんこ君は、横断歩道を渡るイラストで、「良いちんこなんだよ〜、あ、じゃあ良(リョウ)ちんて事だね〜」なんてゲラゲラやってましたw

 最後に神と崇めているお三方からサインをいただき、無事3日目が終了。これにて平成最後の夏コミ閉幕です。

 

 3日目はCOOKING CASPERゆけしょーたが遊びに来てたので、その後蒲地君と4人で秋葉原へ行き、夏の一大イベントを満喫しきったのでした。

 

 そして次の日、久々に早起きしなくてもいいんだ!寝られるまで、寝てやるぜ!なんて思ってたら昼前に着信。「寝とった〜?」と言う受話器の向こうの声の正体はうちうてんてー。アキバにいるという事で、起きてアキバに行き、生存確認をしつつ、冬コミの申込がオンラインで出来るから、今せぇや!つって、目の前で申込してもらいましたw冬コミ受かるといいね。そして今度は落とさず本出せるといいですねw

 

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                                    糸冬
                                -----------------------
                                制作・著作 NHK

りゅうおうのおしごと!アニメメイキングセミナー 2部

 前回のブログの続き始めます。

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 1部でキャラクターデザインについてのお話がされまして、第2部開幕でございます。1時間ほどの休憩をはさんでから、15時よりスタート。

 座席の配置は1部と同じ。そう言えば、矢野さんが1部と髪型変えてました。

 第2部のテーマは「シーンを描く」ということで、柳監督による、絵コンテや演出についてのお話がメイン。個人的に、柳監督の手がけている作品は好きな物が多いという事、りゅうおうのおしごと!に関しては、将棋シーンや、コミカルなシーン、シリアスなシーンと見所がたくさんあったので、その辺の話が聞けたらいいななんて思ってました。

 まず、シーンを描くという事にあたって、

①動かない勝負をどう表現するか

②コンテの描き方(尺・作画カロリー・カット数)

③原作をどうまとめていくか

という事が議題とされていました。議題っていうのかな?よくわかんないけど。とりあえず、この3点について話して行きますよ、的な。

 

 絵コンテをいくつか見せていただき、絵コンテの作り方からまず話が始まって行きます。実際、絵コンテってどうやって描いてるのか気になっていたのですが、監督の描いた1話のコンテは非常に描き込みが多く、コンテってここまで描くの?って思うくらいの物でした。さすがに全話コンテを描いて演出をやってさらに監督をやるというのは、常人ではまずあり得ない所業なんだなと思いました。

 絵コンテに関して言えば、以前「絵コンテの鬼」と言われている、奥田誠治さんと幸運にもお話させていただく機会があり、その時に少しだけコンテに関して聞いたのですが、自分のイメージを如何にわかりやすくコンテに落とし込めるか、という様な事をおっしゃられていたのですが、柳監督のコンテはまさにそれでした。一目見て、わかりやすい!という印象。これに関しては矢野さんも「監督のコンテは描き込みが多くて作業しやすかった。」という感想を。

 今まで、絵コンテ集とかも好きで色々見てきてはいたけども、有名な演出家さんやコンテマンの方のコンテを見ると、素人でもシーンがわかりやすい物がとても多かったです。それに、実際の本編の出来映えも、カメラワークや演出がすごく印象深かったりもして、さすが○○さんのコンテ回だなぁ〜なんて言われたりもしてるわけです。

 

 柳監督のコンテ作成の話の中で、「コンテにはパズル要素もあり、入れ替えがしやすい。」という話も出てきました。シーンをイメージしやすい設計図というコンテがあれば、いざ作り込む前に入れ替えて考えられると言うのは大事な要素だと思うので、絵コンテ一つで大きく印象が変わってくるのだと思ったのです。

 りゅうおうのおしごと!の絵コンテでは、やはり将棋を扱った作品なので、シーンの印象を決める所を、キャラクターの表情と、棋譜でも表現していたと言う事。大きいコマ割り部分のコンテでも盤上の所まで描かれ、実際に将棋がわかる人にはその部分まで見て美味しい作りになっています。

 また、コミカルなシーンでは、カメラアングルなども一気に非日常的になり、斜めから見るアングルで不安感や、非日常感を演出したとの事です。

 

 また、この作品の将棋盤、将棋駒などは全て3Dで組まれているため、コンテを3Dの方々も見る為、その辺を踏まえてコンテを書き込んでいたそうです。

 

 コンテの段階で、将棋の盤上をガッツリ出さず、斜め下から将棋盤を見上げるような描き込みをしている所もあり、その部分が作画カロリーのカットにつながるようになっているとの事。

 作画カロリーとはなんぞ?というとこなのですが、例えば、将棋を指す時に、将棋盤が見えるように作画すると、指と将棋の駒を同時に動かし、それが連続したシーンとなると、作画枚数が極端に増え、原画マンの人の作業量も増えるし、予算的な部分でもしんどい、と。そう言った部分も考えながらコンテを作るそうで、、、こりゃ大変な作業ですわ。

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 例に挙がってたのが、上の画像のシーンだったのですが、このシーンでは盤上に散らばった駒を一つ一つ取りながら並べて行く所なんですね。ただ、これを下から見る事により、散らばった駒を動かす事無く、手だけ動かせば、駒を自陣に並べている絵が出来上がるというわけです。

 他にも、シーンが長時間経過した事を表現するために、コンテの段階から、唐突に入ってくる夜の外の様子などを描き込んで行く事で、シーンの時間経過というのもわかるようになっているそうです。

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 作画カロリーの話で言えば、上の2つ、全く違う話数の、全く違うキャラの指先なのですが、色を変えたり、背景を変えたり、微修正をすることで、原画を使い回しする事も出来るという話も。これは結構他のアニメの中でも多く見られる事ですね。こういう努力があって作られてるんだよなぁと思うと、アニメの見方がまた変わってきます。

 

 そして、事前に送っていた課題の講評のお時間。トレース台とカメラの位置の関係で、柳監督と矢野さんの座席交代。お題は、シナリオはあったけれど、アニメではカットされてしまったシーンのコンテを描いてみましょうという内容。アニメ1話分で大体250〜300カットのコンテが描かれるそうです。そして、シナリオの1ページに付き、大体15カットくらいが目安だそうです。そんな事はまったく知らず、シナリオ1ページ分につき、5カットでまとめたというかぶち込んだ私の絵コンテ。講評もクソも無いな、、、と思ったら、表現の部分で監督とは発想が違う部分があったと、1部の下手くそな絵に続き、再び殴り書きの下手くそな自分の描いたコンテがスクリーンに映し出され、再び心臓止まるかと思ったw

 シーンはカツカレーを食べる所だったのですが、監督の作ってこられたコンテを見ると、かなり詳細に描き込まれていて驚きました。セリフと画面をうまくあわせていく手法や、カレーを掻き込むような連続したシーンの最後をスローにして、シーンの終わりを見せると言った手法など、20カットくらいのコンテから、たくさんの絵が想像できたのでした。当然のように、シナリオに描かれていない場面も補完しながら描いていらっしゃったので、より絵が見えやすくなっていました。この辺の知識をふまえて、もう一回課題描き直したい…。

 

 そして、2部の内容のまとめに入って行きます。

「シーンを描く時に、温度感なども入れて行きたい。全体のシナリオの中からストップウォッチで計りながら時間も決めて作っている。」

「コンテに関しては、自分も講義を受けている気持ちになった。コンテをもらった時に、もっと読み込んでいかないとならないと思う。作打ちなどでも、コンテはすでに出来上がっているので、コンテに関しての大きい説明が余り無いので、もっと読み解かないとならないと思った。」

と言ったお話。

 

 そして、再び質疑応答のコーナー。

Q、コンテとして表現の難しかったものは?

「将棋を打つシーンが多くあるため、正座をする事がどうしても多いが、その部分の表現が難しかった」

 

そして、個人的に柳監督に聞きたい事があったので、意を決して手を挙げ質問。

Q、シーンに緊迫感などを出す時に、壁などの背景を写したりして間を持たせてるときがあるが、絵コンテの段階である程度の演出は決まっていますか?それとも、演出の担当の方の手によるものが多いですか?

 と言うような内容だった気がする。矢野さんは何度かお話した事あるので、最近は話をする時に緊張する事はなくなったけど、柳監督は初めてお会いしたため、さすがに緊張してしまった。軽く声震えてなかっただろか…w

「コンテ発注の段階で、ある程度の手数は決めている。また、そういった演出に関してはコンテマンや、演出さんの個人の好みの部分もあったりする。」

という回答、ありがとうございましたm(_ _)m

 

他におもしろかった質問としては、

Q、文字媒体とアニメでのメディアのバランスの違いとは?

「アニメーションは絵で見てわからせる事が出来る物で、それによって説明を省ける。例えば、フォークを持つシーンでも、小説では文字にしないと伝わらないが、アニメでは音声をつけなくても、絵だけでわかるように出来る」

 

Q、ロウきゅーぶ!SSで監督デビューしてからロリアニメの監督が多い気がするが…

「ロリアニメが好きで監督に志願したのではなく、可愛くキャラクターに動いてもらうのが好きで、それで始めたらいつの間にか定着して…wとは言っても、やっていて楽しい。ロリアニメの監督と言われても仕方ないとは思っている。」

 

 そんなこんなで、濃密だったけど、あっという間な90分×2本のセミナー終了。実際に制作している方の制作秘話的な物を聞くのは楽しいですが、今回のセミナーはどちらかと言うと制作秘話はオマケ的な内容で、どうやって作り上げていったかという話でありました。

 監督にしても、矢野さんにしても、ぼくは大好きな方達なので、今回の作り方の話を聞き、2人の携わってきた作品をもう一度全部見たいと思いましたし、今後このお二方の携わるアニメに関しては、キャラクターの動かし方であったり、演出の仕方など、こういう意図があるんだろうなという事を考えながら見る事ができそうだと思います。

 

長丁場の講義お疲れ様でした。また、こういう機会があれば参加したいと思うイベントでした。

 

りゅうおうのおしごと!アニメメイキングセミナー 1部

 2018年8月25日(土)に、市ヶ谷の東京アニメセンター in DNP PLAZAにて、りゅうおうのおしごと!アニメメイキングセミナーなる催し物が開催されました。1部2部各90分の講義というもので、TVアニメ「りゅうおうのおしごと!柳 伸亮監督と、キャラクターデザイン&総作画監督矢野茜さんのお2人を招いてのイベントでした。

 通称アニセミという名称のこのイベント、前週にダーリン・イン・ザ・フランキス錦織敦史監督、キャラデザの田中将賀さんを招いて、行われ、これが第2週目。ちなみに翌週はゆるキャン△セミナーが行われるという3本立て。前週のダリフラのも行きたかったんだけど、夏コミ明けの疲弊しきった体とお財布にはツラい物があるぜ…と思って申し込まなかったんだけども、今回のに参加したら、無理してでも行っておくべきだったと思ったくらいには充実したイベントであったのです。

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 柳監督と言えばロウきゅーぶ!SSで監督デビューを果たし、その後project No.9の作品で監督として活躍されてる方なのですが、総作画監督や演出・絵コンテの担当としても名前を見かける事がちょいちょいあり、結構多岐に渡って活躍されてたりもしてます。僕が初めて名前を見たのはゼロの使い魔だったような。なんで目に留まったかと言うと、伸亮ってなんて読むんだ?って気になったからw(当時読み方を勝手にノブアキ?って思ってたら、後日調べてシンスケと判明、すみませんm(_ _)m)

 そして、矢野茜さんは、ニセコイでのキーアニメーターやグリザイアシリーズでの原画・作監を経て、ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?で初のキャラデザ・総作監を担当し、りゅうおうのおしごと!でキャラデザ・総作監は2作目。

 柳監督にしても、矢野さんにしても、ぼくの好きな作品・演出・キャラデザと、ツボに入りまくる方達なので、実際のアニメ制作に関しての話がこのお2方から聞けるなんて、最高のイベントだなと思って申し込んだわけです。

 

 以前の職場が市ヶ谷だったので、久しぶりに市ヶ谷で下車し、DNP PLAZAへ。相変わらずなんとなく堅苦しくゴミゴミしつつもなんかのんびりしたトコだなと。

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 以前秋葉原UDXにあった東京アニメセンターがこちらの地下1階に移転してきてからは初めてきました。今はゴールデンカムイのイベントというかオンリーショップやってました。帰りに覗いてこって思ったけど忘れてた…。

東京アニメセンター in DNPプラザ

 

 12時から受付開始で、時間より気持ち早くつくとすでに5人くらいが待ってました。呼び込まれ2階へ移動し、受付をすませ、空いてる席に。前から2列目だったので、見やすい位置に。

 そしてイベントは1部が12時30分から開始。1部はキャラクターデザインについての講義内容です。司会の方の呼び込みで2人が入ってきます。ステージ上の配置はこんな感じ。後ろに大きいスクリーン。

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 司会の方から、「では今日の意気込みをお願いします!」と振られ、

「少し時間長いので、退屈させないようにします」

「(客席に参加者が多く)目がいっぱいあって緊張します!」

という、監督は落ち着いてるのに対し、矢野さん少しテンション高め笑

確かに参加者結構いた気が。50〜60人くらい?

 

 そしてまずは作品に関して、監督から矢野さんへ求めた点と言うのが、

・原作に寄る

・キャラクターの可愛さを表現

・シルエットで誰かわかるように

ということだったそうです。それに対して、矢野さんは、

・矢野感(もちっと感)が出すぎたw

・(パーツなど)立たせる所は立たせるようにした

・他のアニメーターさんも描きやすいように意識した

という回答。パーツを立たせるという点に関しては、最初主人公あいちゃんのツインテはもう少し大人しかったという話。そして、原作絵のしらび先生の絵はシュッとしているのに対して、矢野さんのキャラはもちっとして、子供っぽさを重視したとのこと。

 そこから、設定画の話になります。設定画を起こす時、前横後の3面の全身図を描き、さらに表情なども描くそうです。作品によってはSDキャラを使う事があるので、SDキャラも描いたり、描写が多くなりそうな靴の底なども設定画に盛り込んだとのこと。

 今回のキャラデザではあいちゃんの髪飾りが苦戦したそうです。原作絵より、パーツ数を減らしたりもするそうで、これはアニメで動かしやすくしたりする事にもつながるとのこと。線が多いと動かすの大変ですもんね。

 そして、各キャラの表情の話に。

「桂香さんの表情はOPの憂いのある顔が好き、影のあるシーンは目線を上にしたり、下にずらしたりして、気をつけている」

とのこと。矢野さんの言っていたシーンがこちら。↓

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「男性キャラは直線をイメージ。手の線もシュッとさせる。現場の男性スタッフの手を参考にして描いたりもした。」

「桂香さんは女性キャラの中でも年上で保護者的な位置づけだったが、7話以降、雰囲気がかわった。どのアニメも設定の段階から、ラストに行くにつれて、キャラクターの雰囲気がかわっていく。それがアニメのいい所。」

「12話の時は親不知が痛くて、将棋の白熱したシーンを描いてる時は描きながら同じ表情をしていたと思う。」

「原画を描いてる時は描きながら同じような顔をしてる事が多々ある。」

と、シーンの話だったり、制作時の話だったり色々聞ける、面白い…

 

 そして、りゅうおうと言えば、小学生女子が出てくるアニメ。そう言う部分では通報しますた案件になるシーンも出てくるわけですが、

「ギリギリを攻めたかった(裸の)。乳首を毛先で隠す感じを描いたが、毛量が足りずにリテイクをくらったw」

「制作側は基準値が段々壊れてきて、第3者から言われて、我に返る事が多いんです」

という話にも。

 そして、インタビューなどでもよく話題に出ていた、矢野さんがキャラデザをした時に一番苦戦したキャラ・パンサーの話題に。

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 パンサーのキャラデザが固まるまで、5テイク重ねたそうで、オッサンなのか、オバハンなのか、そこがわからないようなキャラデザを目指し、このキャラの存在を知らなかった社内の人達に「オジさんに見えますか?オバさんに見えますか?」とヒアリングしリテイクを重ねたそうで、監督にとっても、矢野さんにとっても、ある意味一番思い出深いキャラだという事でした。

 他にも、キャラデザをする上での話を色々聞いたのですが、

「りゅうおうは表情芝居が多い作品だった。アニメは絵だからアップに耐えづらい所があるため、アップにする時は画面内の情報を増やした。あいちゃんの子供らしさも出していきたかったため、椅子に座っている時に足をブラブラさせたり、少しイラッとする踊りなど。コンテの時点でオーダーした。あいちゃんは可愛いけどちょっとムカつく感じに、逆に天ちゃんは表情をあまり出さないけども、たまに感情を出す所で子供らしさ(地団駄を踏むなど)を出した」

という話も。

 そして、事前に課題提出の連絡がアニセミから着ていたので、提出した物に対しての講評。1部はキャラを描くという事で、課題は「可愛く拗ねているあいちゃん・天ちゃんを描く」という物。あいちゃんの全身絵を描いた方の絵を矢野さんその場で作監修正。出てきた絵がすでに上手い感じだったのですが、足先の向きや、腰回りを修正していくと、もっとそれっぽくなるのが凄かったす。そして、さらっと描いちゃうのもさすが。

 矢野さんが課題に対して事前に描いてきてたあいちゃんの画像も紹介されましたが、八一の目線から見ているあいちゃんをイメージしたイラスト。

 ↑このツイートの画像2枚目。

矢野さん曰く、「女の子は上から見ると可愛く見える。上目づかいとか」との事。カメラ(目線)アングルを意識して描くとシチュエーションが想像しやすいそうです。ちなみに、柳監督も、矢野さんもキャラクターを描き始める時は目から描くそうです。自分はイラスト描く時に最後に目を描いてたから、目のバランスが悪くなる事が多かったので、参考にしてみたいと思った次第です。

 そして、「天ちゃんも描いてくれた人がいまして〜」って送られてきた課題絵をゴソゴソっとしてたら自分の描いた下手な絵がスクリーンに映し出され、心臓止まるかと思ったwその場で添削は無かったけども、その絵を参照してくれたのかは不明ですが、キャラの向きが似た絵を矢野さんその場でさらさらっと描く。あげく色も塗る。速い。さすがである。こういった、絵を描く場合

「キャラ表は基本見ながら絵を描いている。表情に関しては無視するけども、服やパーツなどを間違えないようにしている」

という事だそう。そうこう言いながら天ちゃんのイラスト完成。さっきのツイートの3枚目のイラスト。

 

 そして、1部のまとめにはいります。

「可愛さとカッコ良さを両方出したかった。シーン毎の表情やキャラクターの性格などは監督とすりあわせていった。」

「すりあわせてた事で、お互いの認識のズレをなくしていった。」

「表情を描く時には自分の体験なんかも大切にしている。絵を描く上ではパースなどの技術的な部分も大切だけど、自分自身がストックしている感情も大切。喜怒哀楽などを常に意識して、ストックを増やしている。」

「とにかく絵を描くときには物を観察するのが大切。物の対比(サイズ感)など、そこを意識するだけでだいぶかわってくる。動きや表情なんかもしっかり観察していく。」

という事。

 

そして質疑応答という形で数問質問が参加者から出てきて、それに答えるという形に。

 

そんなこんなで第1部は終了。なんと濃密な90分であったか。第1部はキャラクターを描くという事に関しての講義内容だったので、矢野さんがメインで話が進む感じでした。第2部は絵コンテ・演出の話になるため、柳監督がメインになります。

 

ひとまず、ここまで描いて結構疲れたので、本当ならイベントの内容まるっと書こうと思ったけど、ブログ自体も1部と2部にわける事にします。。。

 

後半に続く(キートン山田

 ↑後半

アニメが好きだというお話

どーも、ぼくです。気がつけば4月ですね。

 スギ花粉の季節が終わって、一安心かと思ってたら、今度はヒノキ花粉が例年の400倍とかの飛散量でとっても悲惨なことになってるとかなんとか。

 4月と言えば、色々新しい物が始まる時期でして。新生活・新学期・春アニメなどなど、、、

 アニメの話題を繰り出すとツイッターのフォロワーが減る現象もあったりしますが、めげずにアニメを見ます。なぜならオタクだから。

 

 ぼくがアニメ好きなのはもうほとんどの人が知り得てる事なので、今さらではあるかと思いますが。世代的に中学・高校くらいの時はアニメの話になると「オタクキモい死ね」というのがワンセットで言われるような時代であったので、ぼくはパンクが好きな事以外は周りに言わずに隠れオタクをやってたのです。なので、Facebookくらいでしか繋がってない過去の友人・知人はぼくがアニメオタクだなんて知らないままの人もいるわけです。(今思えば、そこで開き直ってたら、アニメ業界に進む道を選んでいたのかもしれない)今の世代はスマホやパソコンと言ったネット環境もあるから、誰だってすんなりアニメに触れられる事が出来るのはとてもいい事なのかと思う。昔はオンタイムで見れなきゃ録画→録画失敗したらビデオ発売待ちとかレンタル待ちだったし。とは言え、今程ワンクールの放送数が多かったわけでもないし、深夜帯でやってるのも少なかったし、追い掛けやすかったりもしたけど。ただネットの情報みたいなのも無いし、アニメ雑誌を買うなどしないと情報が手に入れられなかったりもしたのでした。

 

 という冒頭から始まる感じの内容が今回のお話。

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NEVER KNOWS BEST (from FLCL)

 

いつにも増して自分語りになるから興味ない人は読まなくてもいい話だし、パンクやバンドの話は関係ないです。

書き終えてみたら、とんでもなく長くなったので、アニメ好きでない人には面白くないやつ。あと独自解釈ばかりなので、あんまり業界詳しい人とかには読まれたくなさ。まぁ、自分の思ってる事をダラダラ書いただけの内容です。

 

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先日、りゅうおうのおしごと!聖地巡礼として、千駄ヶ谷鳩森神社に行った際に撮影した写真にアニメのシーンを切り抜いてコラージュしたもの。

 

 時は1995年10月、今から遡ること23年前。わたし11歳の時。新世紀エヴァンゲリオンというアニメがやるんだとクラスメイトに教えられ、時間帯も夕方だし学校終わってから見るにはちょうどいい時間だったので、見始めたのですが、コレが元凶すべての始まりだったわけです。

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小学生だった当時、こんなん見せられても意味がわからん。まぁ大人になった今見返してもあんまりわかんないけど。ただ、でっかいロボットのような物が、使徒と呼ばれる何かと戦う様子はめちゃくちゃかっこよかった。あと、小学生が見る物としてはちょっとエッチだったし、内容が重かった。これは後にしったけど、「第弐拾話 心のかたち 人のかたち」の放送ではベッドシーンを彷彿させる描写があり、PTAが激怒したという話だったし。とりあえず、ここではエヴァの詳細については割愛。

 と、すっかりエヴァに魅せられ、多分元々ハマり性だったぼくは色々調べてみたところ、ふしぎの海のナディアと同じ制作会社が作ってる事を知った。GAINAXですね。

 ナディアは1990年の放送で、NHKで放送されてたので、親も子どもに見せるには安心と思ってたのか、毎週わくわくしながら見てた記憶があったのでした。

 ただ、当時はアニメに関しての知識なんてまったくないので、エヴァに関してはアニメの作画は庵野監督や、貞本さんが描いてるものだと思ってたし、ドラゴンボール鳥山明が描いてるものだと思ってた。OPやEDのクレジットを見てても、チンプンカンプンだったし、せいぜい悟空と悟飯は野沢雅子だっていう声優情報しか知らなかった。アニメーターさんという存在がいるのを知らなかったんですよね。だから、コミックの絵柄とアニメの絵柄が違うのは紙に描いてるか、セル画に描いてるかの違いで絵柄が変わってきちゃうものなんだとばかり思ってたのです。ちなみに、セル画を知ってたのは、なんでも鑑定団とかで、古いアニメのセル画の鑑定をしたりする時があったからですね。

 んで、当時のアニメの情報源としてはアニメージュやらニュータイプと言った雑誌だったのですが、エヴァの特集をしてて、イラストの下に「イラスト/鶴巻和哉とか、「イラスト/松原秀典と書かれてるのを見て「庵野監督や貞本さんが描いてるんとちゃうんかい!」となり、それがアニメーターさんという存在を知るきっかけになったのでした。まだ当時はキャラデザに対して、作画監督やアニメーターさんのクセで、公式絵なのに絵柄の雰囲気が違うという事もたくさんあったので、不思議に思っていた部分が一つ解決したという瞬間でもありました。

 

 どちらかと言えばアニメの版権絵を見るよりも、その原画を見る方が好きだったりもしたので、そこから深くアニメーターさんの存在を追いかけるようになったのです。と言っても、そこまで選球眼にすぐれてるわけでもないので、原画をほいと見せられても、「これは○○さんの原画ですねデュフフ」なんて答えられるほどではないのですが。イラストなら「これは○○さんの!」とわかるのですが、アニメの原画となると、キャラデザや設定に寄せてアニメーターさんが描いてらっしゃるので、よっぽどクセが無いと見分けがつかなかったりもするのです。それでもアニメーターwikiを編集してる人達はここの原画は○○氏のパートってわかってたりもするから、オタクほんとすげぇってなるのです。

 僕は当時GAINAXにどハマりして、GAINAX作品をかたっぱしから見てたのですが、その中でも、天元突破グレンラガントップをねらえ!と言った、王道の作品からではなく、OVAで作られ国内よりも国外でウケてたFLCLにやられ、そこからさらにアニメーターさんへの興味が深まったわけです。

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新劇場版エヴァの監督、鶴巻和哉さんの初監督作品がFLCL

 

 結構革新的なアニメだったなと思ったのは、アニソン(特に当時のはやりはユーロビートっぽい曲調)をまったく使用せず、全編the Pillowsの曲を使ってたという部分で、スタイリッシュに仕上がってた所。ストーリー的にはやや意味がわかりにくい部分もあったけど、その辺は勝手に解釈出来たし、GAINAX内のネタを使ってメタ発言などの要素も入ってて、スタッフが楽しんで作ってる感がすごくあった。

 んで、1話の後半でメカ同士の戦いになるシーンがあるのですが、そこの原画を担当してたのが、吉成曜さんだと知るのです。

 吉成さんの原画のシーンはとにかくキャラやメカがすごくいきいきと動き回るんですよね。メカなのに、生き物みたいに動いて見えるとか。

エヴァの旧劇場版の弐号機vs量産型のシーンは何回見ても感嘆のため息がもれます。

 

 そんなこんなでアニメーターさんを好きになってから、エンドクレジットを見るのが楽しみになり、コミケではアニメーターさんのいるサークルの本か、企業ブースにて公式で出してる設定資料集ばかり買うようになったのです。とはいえ、アニメーターさんもたくさんいらっしゃるので、名前は知ってるレベルの人や、名前もわからない人もたくさんいるのです。個人的にはGAINAXからの流れで、TRIGGERのお仕事をされてる方のイラストが特に好きで、今石洋之さん雨宮哲さんすしおさん半田修平さん堀剛史さん斉藤健吾さん、などなど挙げきれないくらいに数え上げたらたくさんの好きな方がいらっしゃいます。

 他にも、現在フリーの錦織敦史さんジーベック足立慎吾さん、亡くなられてしまった金田伊功さん、フリーの渡部明夫さん(a.k.a ぽよよん♥ろっく)J.C. STAFFで活躍してる桜美勝志さんカラー平松禎史さん、フリーの保村成さん京アニからフリーの堀口悠紀子さんシャフト杉山延寛さん、、、などなど、とにかくたくさんの方の絵を見て、アニメにどっぷりはまっていったのでした。さらには、デザインの仕事をするようになってから、結構デザインの影響を受けたりもしたのです。特にスタジオで言えばSHAFTのデザイン手法にはコラージュを作る上で、多大なる影響を受けまくりました。

 

 そして、ぼくがとりわけ好きなアニメーターさんというのが、project No.9所属の矢野茜さんなのです。2018年の1月から放送されていたりゅうおうのおしごと!ではキャラクターデザインと総作画監督をつとめていたり、可愛い人だ!とネットで話題になったりしてるので、アニメ好きな人はわりと最近よく名前を見かける方だと思います。

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 矢野さんを初めて僕がアニメーターさんとして意識するようになった作品は、2016年の4月から放送されたネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?がきっかけでした。元々、声優の南條愛乃さんが好きだったのもあり、南條さんがネトゲの嫁に出演されるという事で、これは見ないと!と思ったのですが、その時もキャラデザと総作監をしていたため、Twitterで存在を知ったというのが流れなのです。その後調べてみたら、最初の参加作品が2013年の僕は友達が少ない NEXT」の第二原画からはじまり、ニセコイではメインアニメーターや作監を務めたり、グリザイアの果実でも作監をしていたりと、この5年で結構たくさんの作品に参加されていたようでした。

 ではなぜこんなに魅了されているのかというと、ほぼ毎日のように何かしら絵を描いてツイートしてくれてるんですよね。他のアニメーターさんもそうい方は多いですけども。矢野さんの場合は、色使いや写真の雰囲気もあるのですが、絵から暖かみがを感じられる物が多いのです。

 女性のアニメーターさんでありながらも「服を描くのはめんどうだから、裸を描くのが好き」と言いつつも、実際の所結構中身がオヤジな部分が見受けられるので、ほんとは女の子の裸好きなんじゃねーかって思っています。

 また、矢野さんは自分の手がけたキャラクターに対しての愛情がたくさん読み取れるのですが、ぼくが好きなアニメーターさんというのは、だいたい自分の手がけたキャラクターへの愛情が深いのです。前述のすしおさんなんかは特に、キルラキル満艦飾マコが好きで、未だにマコを描き続けていたり、そういうのを見ると、単なるクリエイターではなく、作品の産みの親であり、この方々がいないとこんないい作品に出会う事は出来なかったと思えてくるのです。そういう意味で矢野さんのツイートする絵からは多くの感情が読み取れます。最近はりゅうおうのキャラが多いのですが、たまにネトゲの嫁のキャラも描いてたりもしてくれてます。そうすると、普段顔の見えない仕事をされているアニメーターさんの姿がキャラクターにダブって見えるんですよね。実際、ぼくは矢野さんの顔を知るまでは、ネトゲの嫁の亜子とダブってましたし、すしおさんに関しては、キルラキルの蟇郡とダブって見えてました。半田さんなんかは未だに「リトル・ウィッチ・アカデミア」のアッコの姿に見えてます。そうやってダブって見えてくるようになると、ラクガキ(とてもラクガキレベルではない代物)と称してTwitterにあがった絵から、その時の感情なども読み取れる気がして(気がするだけ)、作品と制作陣は表裏一体なんだなという気にもなってくるのです。あと、人柄って絵柄からわかりますよね。とくに、芳垣祐介さんは、Twitterに日々の日記のような物を、コメントも載せず、イラストだけ淡々とアップしてるのですが、そこからはTRIGGERのスタッフ皆様方が、芳垣さん好き!と言う理由がわかるくらいの人の良さが溢れてます。

 2018年の2月末に、矢野さんは週プレのインタビューを受けており、その際に週プレ側から「ルックスが話題になりますが…」という質問に対して「(ルックスで)贔屓されて作監やキャラデザをやってるとは思われたくないんです。ルックスは関係なくて、完全に実力の業界だと思うので。」という返答をされており、この発言こそ、ぼくが矢野さんを好きである所以でもあったりするのでした。おそらく、この話題のせいで、言われも無い事を言われたり、足かせになった面は多々あったかと思いますが、本人はそこをまったく見せないのでハートの強さを感じます。僕自身は会社は変われど、ずっと印刷業界にいて、帰れない・休めない・給料安いという苦難を味わってきてるんですけど、アニメ業界もそこに近い部分が見受けられるので、そこを乗り越えてなお仕事を出来るのは、よっぽど仕事が好きか、中身が男っぽい部分があるからなんだろうなと思ってみたりもしてます。

ご本人のTwitterより、こんなん普通はしませんわね。ぼくも昔は会社の床に段ボール敷いて寝てました。

 

 Twitterというツールは非常に便利な物で、簡単にこちらの思いを伝える事も出来たりするので、アニメの感想や同人誌の感想だったり、なにかあればイラレやフォトショを使って画像を作り、アニメ制作お疲れ様でしただったり、感謝の気持ちを込めて送るのですが、そこに対して返事をいただけるのもありがたい話です。たとえば、声優さんやアイドルだったりすると、リプライやファンレターは送れど、そこに返事をもらえる事はあまりないです。アイドルだと、地下アイドルだったりしたら規制がゆるいのでまた別ですが。矢野さん含め、過去に数名のアニメーターさんからTwitterで返事をもらったりした事もあるのですが、皆さん物凄く対応がいいのです。忙しいはずなのに返事をくれたりするとアニメーターオタク冥利につきるってやつですね。とはいえ、人と人ですし、距離感を間違うわけにはいかないので、馴れ馴れしいリプを送ってる人を見ると、こっちがイラッとしたりもして、自分はまじめだなーとか思ったりもしちゃうのですけど、そういう横柄な態度で芸能人や有名人にリプ送れる人ってどんな神経してんのかと思ったり。矢野さんへのコメント欄見ても「矢野さんかわいい!」とかしかツイートしないのもいて、絵を見なさいよ!!と、そして週プレのインタビューを暗記するまで読め!とも思ってしまったり。

 と、気付けばアニメへの思いの話から、いつの間にかぼくがどんだけ矢野さんのファンであるかを語ってる内容になってたので、方向を元に戻します。まぁ実際、アニメーターさんという観点だけでなく、人としても女性としても好きなのですが(照)

 

 アニメが好きな人と話をすると、必ずといって言い程にあがる話題としては、「一番好きなアニメって何?」だと思うのですが、ぼくの場合は簡単に「これ!」と言える作品が無いのです。当然ジャンルの違いもあるし、絵柄の違い声優さんの違いなんかもあったりするので。強いて言うならと言うのであれば、やっぱりエヴァになるのかなぁと思うんですけど、でも他にも同じように好きな作品はたくさんあります。繰り返し見て楽しめる作品というのが好きな作品なのであって、THE IDOLM@STERも好きだし、マクロス化物語もシリーズ通して好きだし、交響詩エウレカセブンも好きだし、最近だと三ツ星カラーズは大ヒットだったし、一番好きというものを決めなくてもいいのかなぁという気もしてたりします。自分の好きなジャンルもバラバラだし泣けるのがよかったり、笑えるのがよかったり様々…。

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アニメのアイマスは監督が錦織敦史さんで、最高の出来でしたね。

 

 もうひとつ、アニメを見るモチベーションの一つになるのは、キャラデザを担当した人であったり、監督だったりしてるのは一つの要因でもあったりします。それで見逃してて、後で話題になってから「あーリアルタイムで見ていたかった!!!泣」なんて事もあったりしてしまうので、なるべく見れる物は見ようと最近は思ってたりもします。

 どんなアニメであっても、たくさんの人の手で作られてるので、監督・アニメーター・声優とクローズアップされやすい部分以外にも、音響・撮影と言った方や、制作進行管理の方、宣伝するスタッフなどなど、多方面に渡って人が絡んでるわけですよね。その辺の仕組みの部分はP.A. WORKSSHIROBAKOを見ると、面白く理解できていいかと。

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SHIROBAKOはアニメを作る人達の様子がアニメで見る事が出来ます。

 

 なので、アニメを見るときは感謝の気持ちを忘れないようにと言うのは心がけてたりもしますが、やっぱり作画崩壊は気になっちゃうものでして。つい最近だと、メルヘン・メドヘンが話題になり、2週休んでテコ入れして再開となってたものの、それでも休み明けの回は改善されてなくてTwitterでは祭になってたりもしてたのです。ぼくも驚いてちょっとツイートしてしまったりもしたけども、元々キャラ原案がカントクさんで、キャラデザ・総作監森川侑紀さんだったのもあり、ファンタジーな世界観が表現されるにはいい人達だなと思ってたので、個人的には結構好きな部類のアニメでした。11話と12話は放送時期未定のまま放送終了してしまったけども、いつか無事放送してほしいなと切に願うのです。

 逆に許せない作画崩壊というのもあって、「バンドリ」なんかはESPのギターとのコラボもあってか、主人公達の使う楽器はCGで作り込まれ、本物に近い雰囲気で描かれていたのに、モブのバンド達の楽器はなんじゃこれレベルの作画でした。仮にもバンド物というなら、そこきちんとやれよと。あとあれは主人公に難ありすぎて最後まで見れなかったな。あとキラキラ星な、ある意味スワンキーズよりノイズだった…。

 まぁぼくはそこまで超キビシい目でアニメ見てるでもないので、よっぽどで無ければ親のカタキのごとくガーッと批判する事もなく、ただひっそりと視聴を打ち切るだけなのですが、、、

 ここ最近だと京都アニメーションヴァイオレット・エヴァーガーデンの作画が驚くほどによかったです。1話は初めて見る人にいい物を見せる為に、多くのスタッフを投入して作画バッチリ!になる事が多いようですが、この作品では全13話すべてがそのクオリティだったというのが驚きでした。

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感情を持たない元兵士が手紙の代筆人となり、感情豊かになっていく、とにかく泣ける作品。それが「ヴァイオレット・エヴァーガーデン

劇場版とかのクオリティを毎回繰り出すなんて、京アニは変態かと。まぁ絵柄がリアリティを増してきたここ最近以前の作品でも、細かい部分までしっかり描き込まれてるというので定評のあった京アニなので、ある意味納得と言えば納得ですが。

 

 現在は3Dだったりデジタル制作の環境が整っているので、作画がキレイになった作品は多くなりましたよね。とりわけメカなんかはすごい緻密になってます。これはこれで、技術職なので、その操作が出来る人はとにかく凄いと思うのですが、やはりマクロスの劇場版愛・おぼえていますか1984年作品)を見てしまったら絶句するレベルの作画。あんだけ緻密なメカや派手な戦闘シーンがすべて手作業っていうんですから、これぞ職人技です。美樹本晴彦さんが描いたと言われるリン・ミンメイはテレビ版と比べるととんでもなく美しかったです。この辺りのアニメは物心つく以前に生まれる前や生まれたばっかの時分なので、当然後追いで見てるのですが、初代マクロスのテレビ版での作画大崩壊からの、愛おぼ劇場版での超神作画への話ってのはググると色んなネタが知れて面白いです。特に、板野サーカスという手法の産みの親である板野一郎さんの逸話や、当時の回想嘆なんかは面白いので読むといいかもです。

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こういう糸引くみたいにミサイル放出されるのが、板野サーカスね。

 

 と、ここまでひたすたダラダラと書きましたが、まだまだ語り尽くせぬ思いはあったりもするので、アニメ好きな人は暇な時間があったら一緒に語らいましょう。作画どーたらなんてのも書きましたが、面白いアニメが見れたらそれだけで感無量です。キャラに萌えてハァハァするもよし、声優さんにハマって声豚になるもよし、内容から何かを感じ取って自分の糧にするもよし。アニメの楽しみ方はたくさんあると思うんですよね。

 日本はアニメ大国と言われてるので、世界中のアニメファンが日々日本に来てはアキバを満喫したりしてるわけですが、ここ最近はアニメ業界の給与や勤務体系がブラックだと話題になるばかりで、こんな寂しい話はないなと思うのです。クールジャパン(笑)というわけわかんない政策のための宣伝費だったり、そういった部分をクリエイターに還元する事の方がよっぽど必要だと思います。いい物は宣伝しなくたって、今の時代SNSとかで勝手に広まるんだから。これに関してはアニメ業界に限らず、物作りの現場全てに言える事でもあるとは思いますが。こんなんじゃ技術が衰退していく一方です。10年先も20年先もアニメを見てワクワクする気持ち、感動する気持ち、笑える気持ちって言うのは味わっていたいものです。

 

 しかし、、、いつものブログより文字数めちゃくちゃ多いな、、、(汗)

 

次の日記はまた過去のバンドのお話で思い出し日記書きます(予定)

ではまた。というかここまで読んだ人いるか謎。読んでくれていたら、ありがとうございます。